まえがき
キッシュの舌打ち,エジソンのうたた寝 鈴木光太郎
Chapter 1 越境する感覚
五感を超えた力 A. ブライチャー
助け合う感覚 L. D. ローゼンブラム
匂いと記憶の深い関係 M. コニコヴァ
失明治療で見えてきたこと P. シンハ
Chapter 2 意識の脳科学
意識とは何か C. コッホ
電気刺激で意識を探る C. コッホ
自由意思が存在する理由 E. ナーミアス
機械は意識を持ちうるか C. コッホ
Chapter 3 だまされる脳
脳が「現実」を作り出す A. K. セス
プラセボ効果の脳科学 T. グーラ
サブリミナル効果の真実 W. シュトレーベ
Chapter 4 眠りと夢の脳科学
眠りが刈り込む余計な記憶 G. トノーニ/C. チレッリ
夢が教える発想 D. バレット
明晰夢の効用 U. フォス
パンデミックが変えた睡眠と夢 T. ニールセン
Chapter 5 天才脳の秘密
天才のようにまどろめ エジソンに学ぶ半覚醒状態のひらめき B. ステッカ
天才たちの系譜 L. フリードマン
天才と変人 解き放たれた知性 S. カーソン
創造性の起源 D. K. シモントン
Chapter 6 脳地図⾰命
脳の実相に迫る R. ユステ/ G. M. チャーチ
脳の遺伝子アトラス E. レイン/M. ホールリッツ
神経回路網はどのように知性を生み出すのか M. ベルトレロ/D. S. バセット
鈴木光太郎(すずき・こうたろう)
新潟大学名誉教授。専門は実験心理学。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。著書に『オオカミ少女はいなかった』(新曜社,2008年/増補文庫版,筑摩書房,2015年),『ヒトの心はどう進化したのか』(筑摩書房,2013年),訳書にグッデイル&ミルナー『もうひとつの視覚』(新曜社,2008年),ベリング『ヒトはなぜ自殺するのか』(化学同人,2021年),ドレガー『ガリレオの中指』(みすず書房,2022年),グラツィアーノ『意識はなぜ生まれたか』(白揚社,2022年)などがある。