まえがき
人類学の新たな展開 篠田謙一
PART 1 人類進化を考える
アナム猿人の顔 K. ウォン
ホモ・ナレディ「ネオ」の姿 K. ウォン
誰が作ったのか? 最古の石器発見で揺らぐ定説 K. ウォン
道具使用の起源を探る 霊長類考古学 M. ハスラム
歯が語る人類祖先の食生活 P. S. アンガー
ヒトがヒトを進化させた K. ラランド
ジャンク化石の山から人類史の宝を探す T. ハイアム/K. ドウカ
ヒトらしさを生んだ遺伝子欠失 P. L. レノ
インドネシアで見つかった 最古の洞窟壁画 K. ウォン
消えたグリーンランドのバイキング Z. ゾーリッチ
PART2 人間らしさとは何か
データで見る脳の違い C. C. シャーウッド
ホモ・サピエンス 成功の舞台裏 K. ウォン
優しくなければ生き残れない 進化史に見るホモ・サピエンス成功のカギ
B. ヘア/V. ウッズ
モラルを生んだ生存競争 M. トマセロ
高度な言語が生まれた理由 C. ケネリー
PART3 進化と健康
進化で読み解く歯の健康学 P. S. アンガー
運動しなければならない進化上の理由 H. ポンツァー
運動が記憶力を改善する理由 D. A. ライクレン/G. E. アレクサンダー
おわりに
人類という奇跡 J. グリビン
篠田謙一(しのだ・けんいち) 国立科学博物館副館長・人類研究部長。博士(医学)。1955年静岡県生まれ。京都大学理学部卒業。佐賀医科大学助教授,国立科学博物館人類第一研究室長,同人類研究部・人類史研究グループ長を経て2016年より現職。専門は分子人類学で,日本や中国,台湾,ベトナムなどアジア各地の古人骨のDNA解析から日本人の起源を追究している。また,南米アンデス先住民のDNA解析から,その系統と社会構造について研究している。著書に『DNAで語る日本人起源論』(岩波書店,2015年),『江戸の骨は語る』(岩波書店,2018年),『新版 日本人になった祖先たち』(NHKブックス,2019年)など。