別冊242

人間らしさの起源 社会性,知性,技術の進化史

篠田謙一 編

2020年12月17日 A4変型判 27.6cm×20.6cm 128ページ ISBN978-4-532-51242-2

定価2,200円(10%税込)

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ホモ・サピエンスの特徴やその歩みが明らかになるにつれ,人類進化がこれまで考えられてきたよりもはるかに複雑であることがわかってきました。現生唯一の人類である我々ホモ・サピエンスが他をしのいで生き残った背景には,集団で協力を行うという高度な行動を進化させた自然選択があると考えられています。さらに道具を使う動物の考古学的記録から,人類の技術革新の起源を探る研究も進んでいます。自然人類学から社会人類学まで幅広い分野の研究成果、最新のトピックスを一冊にまとめました。

篠田謙一 編

まえがき

人類学の新たな展開  篠田謙一

 

PART 1 人類進化を考える

アナム猿人の顔  K. ウォン

ホモ・ナレディ「ネオ」の姿  K. ウォン

誰が作ったのか? 最古の石器発見で揺らぐ定説  K. ウォン

道具使用の起源を探る 霊長類考古学  M. ハスラム

歯が語る人類祖先の食生活  P. S. アンガー

ヒトがヒトを進化させた  K. ラランド

ジャンク化石の山から人類史の宝を探す  T. ハイアム/K. ドウカ

ヒトらしさを生んだ遺伝子欠失  P. L. レノ

インドネシアで見つかった 最古の洞窟壁画  K. ウォン

消えたグリーンランドのバイキング  Z. ゾーリッチ

 

 

PART2 人間らしさとは何か

データで見る脳の違い  C. C. シャーウッド

ホモ・サピエンス 成功の舞台裏  K. ウォン

優しくなければ生き残れない 進化史に見るホモ・サピエンス成功のカギ

B. ヘア/V. ウッズ

モラルを生んだ生存競争  M. トマセロ

高度な言語が生まれた理由  C. ケネリー

 

 

PART3 進化と健康

進化で読み解く歯の健康学  P. S. アンガー

運動しなければならない進化上の理由  H. ポンツァー

運動が記憶力を改善する理由  D. A. ライクレン/G. E. アレクサンダー

 

おわりに

人類という奇跡  J. グリビン

篠田謙一(しのだ・けんいち) 国立科学博物館副館長・人類研究部長。博士(医学)。1955年静岡県生まれ。京都大学理学部卒業。佐賀医科大学助教授,国立科学博物館人類第一研究室長,同人類研究部・人類史研究グループ長を経て2016年より現職。専門は分子人類学で,日本や中国,台湾,ベトナムなどアジア各地の古人骨のDNA解析から日本人の起源を追究している。また,南米アンデス先住民のDNA解析から,その系統と社会構造について研究している。著書に『DNAで語る日本人起源論』(岩波書店,2015年),『江戸の骨は語る』(岩波書店,2018年),『新版 日本人になった祖先たち』(NHKブックス,2019年)など。