序章
人生100年時代の健康学 「生きる」ために知っておきたいこと
「がん社会」は成熟国家の必然
「若い」高齢者、就労意識も変化
ヘルスリテラシーが最良の処方箋
3段階の予防策で備えを
中学校や高校のがん教育が本格化
がんリテラシー向上プロジェクト
第1章
思い込みをリセットしよう がんや健康のこと、誤解していませんか?
思い込み① 「野菜でがん予防、肉はからだに悪い」
思い込み② 「遺伝だから、努力してもムダ」
思い込み③ 「いまさら禁煙しても遅い」
思い込み④ 「酒は百薬の長です」
思い込み⑤ 「日本人のがんと言えば、胃がん」
思い込み⑥ 「大腸がん? 検査陽性は痔のせい」
思い込み⑦ 「仕事を辞めて治療に専念」
思い込み⑧ 「コロナがこわい、検診も自粛」
第2章
がん予防もアナタらしく 自分に必要なチェックポイントを確認
少しずつでも運動の習慣を
映画のワンシーンから歯周病予防
嫌われ者の花粉症にプラス効果
体重計に乗って一喜一憂のススメ
触ってチェック、自分の体に関心
検診にもデジタルクーポン
がんになりにくい眼や耳も忘れずに
猫に学ぶ生き方
病院嫌いのアナタに
第3章
養老孟司先生とともに 安田講堂での講演会から
養老孟司先生の特別講演
15キロ体重が減って、寝てばかり
子ども時代の病院体験
命を真面目に考えると
歳をとってわかること
トークセッション
あるいは過剰診断?
まだやりたいことがあった
人間はそんなに論理的ではない
突き詰めることは善なのか
第4章
ヘルスリテラシーを高めよう がんを避けるために・がんになったら
生活習慣の「最適化」を図る
住民がん検診が早期発見の第一歩
増殖過程で「個性」を持つがん
膵臓がんが急増、背景に糖尿病
直腸がん治療、生活の質も考慮
40歳未満ではがん患者の8割が女性
子宮頸がんの正しい知識を
がん治療の国際化をめざして
乳がん治療の現在
一人一人に最適な治療法を
働く人を支える放射線治療
保険適用で最善の治療が受けられる
あやしい医療、見破るコツ
第4の柱「免疫チェックポイント阻害薬」
緩和ケアの新常識を共有
放射線と神経ブロックで痛みを緩和
格差が罹患率・受診率に影響
進行がんは経済的にも負担が大きい
がん治療にもAI活用
第5章
リスクの「量」を見きわめる 危険を正しく判断、未来を読む力を
検査の自粛で懸念される進行がん
新型コロナ感染症とがん治療
原発事故と小児甲状腺がん
過剰診断の見直しが必要
韓国の過剰診断問題に学ぶ
トリチウム、人体への影響は?
ALPS処理水、海に放出へ
ウクライナのがん事情
ゼロリスク社会の落とし穴
第6章
「がんの壁」を越えよう 超高齢社会のフロントランナー
「一がん息災」という考え方
坂本龍一氏を襲った直腸がん
経営者の行動が社員を守る
がんでも働ける職場づくり
企業向け個別助言に高い評価
「治す」と「癒やす」で患者を支える
がんも「ピンピンコロリ」型に
80歳までにがんで命を落とさないために
母の入院と養老先生 あとがきに代えて
中川恵一(なかがわ けいいち)
東京大学大学院医学系研究科特任教授。医学博士。
厚生労働省がん対策推進企業アクション議長、文部科学省がん教育の在り方に関する検討会委員を務める。日本経済新聞で「がん社会を診る」を連載中。