別冊219

人類への道
知と社会性の進化

篠田謙一 編

2017年4月17日 A4変型判 27.6cm×20.6cm 128ページ ISBN978-4-532-51219-4

定価2,200円(10%税込)

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数々の化石発見とDNA解析の進展により,人類の祖先出現からホモ・サピエンス誕生までの道筋は書き換えを迫られている。人類学界を騒然とさせたホモ・ナレディの発見,ネアンデルタール人の知性の裏付け,直系祖先をめぐる論争など,最新成果を通して人類進化の源流を探る。

篠田謙一 編

まえがき

人間の特性を探る ──人類学研究の現在  篠田謙一

 

第1章 化石発見の最新情報

直系祖先は誰だ? 枝の多い系統樹  B. ウッド

現代人の源流? ホモ・ナレディ  K. ウォン

 

第2章 猿人からホモ属への変化

人類最初のハンター  K. ウォン

初期人類が滅ぼした肉食獣  L. ワーデリン

調理で人類は進化した  R. ランガム/K. ウォン

気候変動のインパクト  P. B. デメノカル

化石を探すGPS  R. L. アネマニ/C. W. エマーソン

トゥーマイはやはりヒトだった  SCIENTIFIC AMERICAN 編集部

 

第3章 ヒト誕生の理由を探るヒトとその社会の特徴

ヒトが長寿になったわけ  H.プリングル

一夫一妻になったわけ  B. エドガー

助け合いのパワー  F. ドゥ・ヴァール

生まれながらの協力上手  G. スティックス

人類を進化させた石器作り  D. スタウト

サルが作った石器  SCIENTIFIC AMERICAN 編集部

ネアンデルタール人の知性  K. ウォン

史上最強の侵略種 ホモ・サピエンス  C. W. マリーン

いまも続く進化  J. ホークス

 

第4章 人類学の応用

ケース0425 密入国死者の身元確定  A. ローズ

歯垢で探る古代人の健康と暮らし  SCIENTIFIC AMERICAN 編集部

Y染色体は消えず  SCIENTIFIC AMERICAN 編集部

DNAで探るインカの起源  篠田謙一

篠田謙一(しのだ・けんいち)
国立科学博物館副館長兼人類研究部長。博士(医学)。1955年静岡県生まれ。京都大学理学部卒業。佐賀医科大学助教授,国立科学博物館人類第一研究室長,同人類研究部・人類史研究グループ長を経て2015年より現職。専門は分子人類学で,日本や中国,台湾,ベトナムなどアジア各地の古人骨のDNA解析から日本人の起源を追究している。また,南米アンデス先住民のDNA解析から,その系統と社会構造について研究している。著書に『DNAで語る日本人起源論』(岩波書店,2015年),『日本人になった祖先たち』(NHKブックス,2007年),『インカ帝国─研究のフロンティア』(島田泉と共編著,東海大学出版会,2012年)など。