別冊198

脳が生み出すイリュージョン
神経科学が解き明かす錯視の世界

S. マルティネス=コンデ/S. L. マクニック 北岡明佳 監修
日経サイエンス編集部 訳

2014年4月16日 A4変型判 27.6cm×20.6cm 128ページ ISBN978-4-532-51198-2

定価2,200円(10%税込)

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「ニューロマジック」の研究で知られる神経科学者のマルティネス=コンデとマクニックが解説する傑作錯視集。Scientific American Mind誌に連載中の人気コラム「Illusions」から20話を収載した「Scientific American Mind 187 Illusions」の翻訳版。同コラムに多数の作品を提供している北岡明佳氏監修。

S. マルティネス=コンデ/S. L. マクニック 北岡明佳 監修
日経サイエンス編集部 訳

 

はじめに

イリュージョンへの誘い  北岡明佳

 

PROLOGUE

あなたがあなたである理由

人間は食べ物と配偶者を捜すロボット以上のものだ

 

CHAPTER 1  誤知覚の基礎

錯覚の神経科学

目がどのように欺かれるのかを知ると,脳の内部の働きが明らかになってくる

 

3D錯視の遠近法

斜塔に関連する錯視から,脳がどのように3次元イメージを作り上げてるかわかる

 

大小みなこれ幻

サイズは重要だろうか?脳にとっては,どうでもよい

 

パレイドリア 無意味に意味を見いだす幻

見えた通りに信じてしまうという落とし穴

 

ひとひねりが生む幻

知覚をゆがめる錯視の数々

 

影も形もなし

フェーディングの錯視は知覚のかくれんぼだ

 

ヨリックの幽霊 残像の神経科学

像を見つめると網膜の細胞が一時的にリセットされ,幽霊のような幻影を引き起こす場合がある

 

異次元の色

色は周囲に応じて代わり,境界の外まで広がっていく

 

パイロットを窮地に陥れる錯覚

軍用機のパイロットには自分の感覚を修正する力が求められる

 

影におびえて

薄気味悪い幻があなたの脳を翻弄する

 

痛みは錯覚

痛みは一種の感情だ

 

 

CHAPTER 2 見つめ合う幻

顔に何が見える?

人間の脳は顔の識別に非常に優れているが,その“顔感覚”をだます錯視も存在する

 

目は物語る

人間のような社会的霊長類にとって,目を見つめることは極めて重要だ

目にまつわる錯視が非常に強力なのはそのためかもしれない

 

愛の幻想

どのようにだまして進ぜようか? ハートと心を弄ぶ方法の数々をどうぞ

 

 

CHAPTER 3 アートと錯覚

オプ・アートに見る動きの幻

芸術と神経科学が結びつくと観悪的な「動きの幻」が生まれる

 

ありえない彫刻 立体作品の錯視

アーティストたちは不可視図形を

3次元の現実に変える不思議な技法を編み出した

 

本物よりも本物らしく

トロンプルイユは私たちの知覚をゆすぶる

 

まちなかの錯覚

街をカンバスに幻を描き出すストリートアートの数々

 

時を得た広告

時の経つのを忘れさせる広告の錯覚

 

おいしい錯視

これは顔か,それとも食べ物か?

脳は複数のレベルで食材アートワークを認識している

 

 

索引

S. マルティネス=コンデ/S. L. マクニック
ともにアリゾナ州フェニックスにあるバロー神経学研究所の研究室長で,SCIENTIFIC AMERICAN MINDの編集顧問。ブレイクスリー(Sandra Blakeslee)との共著書『脳はすすんでだまされたがる』(邦訳は角川書店)がある。また,近く「Champions of Illusion」がScientific American/Farrar, Strauss and Girouxから出版予定。

 

北岡明佳(きたおか・あきよし)
立命館大学文学部心理学専攻教授。専門は知覚心理学。日本における錯視研究の第一人者として知られる。『視覚大解析 脳がだまされるサイエンス』(カンゼン),『錯視と錯覚の科学』(監修,ニュートンプレス),『だまされる視覚』(化学同人),『知覚心理学』(ミネルヴァ書房)など著書多数。2001年,日経サイエンスに「錯視のデザイン学」を連載した。2013年にはレディ・ガガのアルバムのCD盤面とトレイに錯視作品「ガンガゼ」が使われ,脚光を浴びた。