目次
はじめに
旧版のはしがき
世界中に「数楽」ファンを生み育てたガードナー 坂井 公
第1話 9つの挑戦的な問題
何処かで見たことのある問題も あまり知られていない問題も
第2話 ゴム棒から立方体ころがしまで
いくらでも伸びるゴムの棒の端にいる虫は 反対側の端にたどりつけるだろうか?
第3話 クラム, クロスクラム, 四角食い
ルールは簡単なのに,戦術があまり知られていない2人ゲームを考察する
第4話 星形ニム, 蛇行など
簡単な手作りゲーム盤と石で遊べる,2人ゲームの必勝戦術を考える
第5話 新エリュシス遊び
1950年代に生まれたこのトランプゲームは,科学的なひらめきのプロセスを知る絶好のシミュレーションゲームだ
第6話 ライフゲーム
コンウェイが生み出したこのゲームは,単純なルールによって生命の誕生や生物進化をシミュレートできる
第7話 ウェアリングの問題
幸運なまぐれ当たり的な推測が,数論の重要な問題を提起した
第8話 エジプト式分数
古代エジプトの奇妙な分数から おもしろいパズルと数論の諸問題が生まれてくる
第9話 公開鍵暗号の誕生
暗号化は誰でも出来るが,復号は「鍵」を知る人しかできない。「落とし戸関数」を使うと,そんな暗号を構築できる
第10話 図形を使った公式の証明
複雑で難しい代数の公式も,一目でわかる図を使って視覚的に証明できる
第11話 プログラムされた虫
選択規則をプログラムされた“虫”たちが描き出す,ファンタスティックなパターンの数々
第12話 ラムゼー・グラフ
点と点とを線で結ぶことで生まれてくる,様々なパターンの理論
第13話 怪物曲線
「曲線」という言葉に再定義を迫った,曲線らしからぬ曲線たちの姿
第14話 白色と褐色と1/fの音楽
自然界に見られる白色雑音をブラウン雑音,1/fのゆらぎ それらが奏でる音色に耳を傾けてみよう。
第15話 ミゲル・ベロカルの彫刻
見た目の美しさ,触覚の楽しさ,ユーモア,そして3次元組み合わせパズルの知的刺激
このスペインの彫刻家はパズルを高度の芸術と結びつけた最初の人物だ
第16話 コンウェイの『数とゲーム』
数の体系をつづったコンウェイの著作をもとに,2人のゲームの深遠な世界をのぞいてみよう
第17話 スマリヤンの『この本の題は何か?』
アリスもポーシャもドラキュラも,みんなが考えた奇妙な論理パズル
スマリヤンの「この本」はゲーテルの不思議な世界へのいざないだ
解答と解説
関連書籍
【著者】Martin Gardner マーチン・ガードナー
1914年生まれ。25年にわたってSCIENTIFIC AMERICAN 誌に「数学ゲーム」(Mathematical Games)を連載。翻訳はサイエンス(現在の日経サイエンス)の創刊号1971年10月号(創刊号)から1981年12月号まで掲載された。「数学ゲーム」が扱ったテーマは数学の最新の話題にとどまらず,哲学や文学,ミステリー,SFなど多方面にわたっている。あるテーマを取り上げると,専門家から一般読者まで,いろいろな形で情報を提供してくれるので,そのテーマはいっそう広がり,深められていった。こうした“広場”をつくり上げたガードナーの功績は高く評価されている。『自然界における左と右』(紀伊國屋書店),『aha! I nsight ひらめき思考1,2』『aha! Gotch ゆかいなパラドックス1,2』(ともに日本経済新聞出版社)など多数の著書がある。2010年5月22日に逝去。
【訳者】一松 信 ひとつまつ・しん
1926年生まれ。理学博士。京都大学名誉教授。数学検定協会名誉会長。1947年東京帝国大学理学部数学科卒業。1969年より京都大学数理解析研究所教授を務めた。はじめ多変数解析関数論を専攻したが,1957年スタンフォード大学留学の頃から,次第に計算機科学,とくに数値解析に移った。『解析学序説(上下)』(裳華房),『数値解析』(朝倉書店)などの著書のほか,『暗号の数理』(講談社ブルーバックス)などの解説書も書いている。ガードナー氏とは「数学ゲーム」の翻訳を通して知りあい,『数学カーニバル(Ⅰ,Ⅱ)』,『メイトリックス博士の驚異の数秘術』(ともに紀伊國屋書店)を翻訳している。