ヤマネの姪たちによる帽子の色あてショー(問題)
不思議の国と鏡の国の文化交流を促進しようと行われている事業「合同演芸会」は,演ずる側も見る側も,とても楽しみにしている催しだ。
ヤマネの7人の姪たちは,グリフォンに種を提供してもらいマジックショーをやることが多かったが,前に叔父のヤマネに協力を頼んで客席からこっそり合図を送ってもらうことにしていたら,送る合図を叔父が間違えて危うくマジックがだいなしになりかけたことがあった(2017年4月号「ヤマネ,また姪たちの信頼を失う」,単行本『ハートの女王とマハラジャの対決』第96話)。そこで今回は協力者なしでマジックをやることにした。
内容は前と似ている。姪たちがステージに上がって演ずるのだが,まず全員目隠しをする。そして,司会者がそれぞれに帽子をかぶせていく。その色はそのたびにコインを1回だけ投げて決める。表ならば赤,裏ならば白だ。その後,目隠しを外せば,姪たちはそれぞれ自分以外の帽子は見えるわけだが,各自が姉妹たちの帽子を見て,自分の帽子の色を推測する。準備OKとなったら,司会者の合図とともに,いっせいに手に持った赤か白の旗のどちらかを上げる。その色が自分の帽子の色と一致していたら1点獲得だ。
観客席に手助けしてくれる人はいないし,もちろん姪たち同士でのやりとりも一切できない。つまり,それぞれが自分の推測に利用できる情報は,ほかの姉妹たち6人がかぶっている帽子の色しかない。だから全員正解の7点を獲得することなどほとんど期待できないので,姪たちの目標は,過半数の推測を成功させ4点以上を獲得することであり,それが達成できればマジック成功ということにする。
さて,姪たちはこのマジックを何回か行ったが,驚いたことに,4点以上を獲得して成功をおさめたのは半分をはるかに超える回数だった。
そこで読者に考えて頂きたいのは,姪たちが推測のためにどういう戦略を用いたかということと,その戦略で一体どのくらいの成功率をおさめられるだろうかということだ。
答えは2023年12月号に
