パズルの国のアリス

360度監視カメラの配置

坂井 公(神奈川大学非常勤講師) 題字・イラスト:斉藤重之

 白の騎士の奇妙な発明品をはじめ面白い品々が展示されている鏡の国の博物館。展示品が増えて手狭になったので,もっと広い場所に移設しようということになった。幸い,東ナイト駅の少し北側に,十分に広い建設用地を確保できた。駅前には白の騎士の行きつけの喫茶店があり,展示品のメンテナンスなどを白の騎士に相談する にも都合がよい。

 新博物館建設委員会が設置され,早速,博物館全体の設計を大工とセイウチのコンビに依頼した。設計の制約条件は「平屋かつ多角形の建物であること」だけだ。当然,ひとつながりの壁で囲まれた建物にはなるが,おそらく大工は,その条件範囲内で奇想を思う存分発揮し,複雑怪奇な形状のものを提案してくるに違いない。

 博物館の運営維持は,人件費の節約ということもあり,なるべく人手をかけないことにしたい。というわけで,出入り口の管理は自動のキャッシュレス決済機に任せ,建物内の警備は白の騎士が発明した360度撮影可能な監視カメラを何台か設置することですませることに決まった。

 ただ,新博物館建設委員会としては,警備の点で少し気がかりがある。大工の提案する建物の形状が予測できないので,監視カメラが何台必要かわからないことだ。白の騎士に問い合わせると,すぐに用意できる監視カメラは6台だという。そこで委員会としては,6台のカメラで全体を監視できるものに建物の形状を限りたいのだが,そう言ってしまうと大工に余計な負担をかけるし,しかも契約後に条件を追加することから,大工には「建物の形状は多角形で,辺数はn以下のもの」というふうにわかりやすく伝えたい。

 ここで読者への問題だ。大工がどんなに変てこりんな設計をしても,6台のカメラで建物全体を監視できるためには,nは最大でいくつを指定すればよいだろうか?

 念のため条件を整理しておくと,それぞれの監視カメラは博物館の天井に据え付けられ,その位置から下方はどの方向でも360度監視・撮影できる。博物館の天井の高さはどこも一定で,壁以外に遮るものはなく,逆に壁を越えた先を見ることはできない。

答えは2022年11月号に掲載

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