パズルの国のアリス

壊れた金庫の安全性

坂井 公(筑波大学アソシエイト) 題字・イラスト:斉藤重之

 珍しいことに,ハートのジャックがハートの女王の使いとしてイモムシ探偵局を訪ねてきた。用件を聞くと,トランプ王宮のハート王室で使っていた金庫が故障してしまったので,その件でアドバイスがほしいという。

 金庫には3つのダイヤルがついていて,それぞれが0から7までの数値に合わせられる。そして,すべてのダイヤルが事前に設定した数値に合致すると扉が開くという単純な金庫だ。つまり,3つのダイヤルが取ることのできる状態は8×8×8=512通りだけであり,そのすべてを試すと金庫は開いてしまう。だから,もともと安全性が高いといえる代物ではなく,特に重要なものは保管していなかったのだが,壊れたことでますます危なっかしくなった。このまま使い続けてよいものかを判断するための材料がほしいとのことだ。

 どういうふうに壊れたかを尋ねると,3つのダイヤルのうちのどの2つでも設定した数値に合致すると,もう1つのダイヤルがどうなっていようと開いてしまうという。

 これを聞いたグリフォン,そんな金庫を使い続けることは問題外だとは思ったものの,一応,危険性を納得させるための情報をジャックに与えようと考えた。読者のみなさんにもその手伝いをお願いしたい。

 まず,でたらめにダイヤルの数値を合わせても,結構大きな確率で金庫が開いてしまうが,ウォーミングアップとしてその確率を計算していただこう。

 また,1つのダイヤルはでたらめでも,残り2つのダイヤルの組み合わせをすべて試せば,金庫は確実に開いてしまうから,8×8=64通りの組み合わせをテストすることで金庫を開けられる。だが実は,このような試行錯誤の組み合わせの数はもっと少なくすることができる。そこで次に,なるべく少ないテスト回数で金庫を開けるための組み合わせを設計していただきたい。最低何回のテストで金庫は確実に開くだろうか?



答えは2022年9月号に掲載

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