パズルの国のアリス

盗み見の効用(問題)

坂井 公(筑波大学アソシエイツ) 題字・イラスト:斉藤重之

 少しおっちょこちょいの「アマビエ」について前に述べたことがあるが(2021年2月号),これ以外にも妙な妖怪が不思議の国には出没する。「千里眼見習い」もその1人だ。アマビエのようによいことをするように心がければよいのだが,今回はトランプ城の住人ジョーカーにくみして,ケチな賭けでのズルに協力しようと申し出た。

 賭け自体はひどく単純だ。ごく普通の(ジョーカーを除く)52枚のトランプカード1組を用意する。相手がそれをよくシャッフルした後,裏向きに置く。その一番上のカードが黒(クラブとスペード)か赤(ダイヤとハート)かをジョーカーが当てるというものだ。当たれば,ジョーカーは銀貨1枚を獲得し,外れれば逆に1枚を失う。

 ジョーカーはカード自体にはさわることがないので,何も仕掛けることはできない。しかし,そこは「千里眼」である。「見習い」なので全カードの透視はできないが,妖力を使って一番下のカードを盗み見ることができるという。それをジョーカーにこっそり伝えれば,ジョーカーは賭けを有利にできるはずというわけだ。

もちろん,「見習い」などというケチな妖怪のことだから,その情報がタダということはない。そこで読者に考えていただきたいのは,その情報の価値である。一体,いくらまでなら,対価を払ってもその情報を手に入れる価値があるだろうか?

 さらに,もし一番下のカードに加えて下から2枚目のカードも盗み見ることができるとしたら,その追加情報にはどのくらい価値があるだろうか?

 さらに,下から3枚目のカードの情報が加わったとしたら,その追加価値はどのくらいだろうか?

解答はこちらです