回転テーブルとスイッチ(問題)
チェス王宮での園遊会のあと,お茶会3人組は鏡の国博物館を見学中だ。博物館といっても,あまり有力な展示物がない様子で,白の王様のお気に入り家臣だからなのか,白の騎士の発明品が大きなスペースを占めている。先月号の無限階段もやがて展示品の中に収まるだろうが,今ヤマネの興味をひいているのは,縁にたくさんのスイッチがついている円形の回転テーブルだ。
テーブルの中央に電灯があり,スイッチが全部オンになると点灯する。何のことはない。ただスイッチと電灯が全て直列につながっているだけらしい。もちろん各スイッチはオンとオフの2通りの状態が取れるが,見た目ではどちらの状態なのかはわからない。ただ各スイッチを押すとその状態が入れ替わるだけだ。そこでヤマネはスイッチを次々と押してみて電灯を点灯させようと躍起になっている。ところが,ほとんどデタラメに押しているだけなので,同じスイッチの状態が再現したりして,電灯がつくかどうかは賭けみたいなものだ。
そこで,読者にはまず,ヤマネにシステマティックなボタン操作をアドバイスしていただいて,有限回内に電灯が確実につくようにしてほしい。
さて,帽子屋と三月ウサギは,そのやり方で確実に電灯がつけられるようになるまでヤマネの様子を見ていたが,ついイタズラ心を刺激され,意地悪を始めた。ヤマネがスイッチを1つ押すたびに,テーブルを適当に回転してしまうのだ。テーブルは完全に回転対称なので,そんなことをされると,前に押したスイッチがどれなのか誰にもわからなくなり,ヤマネでなくともお手上げだ。幸いに助け舟にヤマネの7匹の姪たちが現れた。姪たちの協力を得れば,8個までなら同時にスイッチを押すことができる。ヤマネと姪たちは,スイッチ数が2個と4個の場合に,協力によるうまい操作手順で(帽子屋たちによる邪魔があっても)一定回数内に確実に電灯を点灯させる手段を見つけたが,それはどういうものだろうか? また,スイッチ数が2や4以外の場合に,その方法はうまく拡張できるだろうか?
答えは,2016年2月号に掲載
