無礼講での握手回数(問題)
先月号で述べたトランプ王国の晩餐会の顛末である。久しぶりの晩餐会とあって,宴が進むにつれて羽目を外す者が続出して,しまいには厨房に閉じ込めておいたはずの三月ウサギや帽子屋も闖入し,言いたい放題やりたい放題のハチャメチャ宴会と化した。ハートの女王の口から「今宵は無礼講じゃ」の一言は出るはずもないが,実際は無礼講同然の有り様。女王は悪口雑言の集中砲火を浴び,口癖の「首をはねよ!」を3秒毎に発していたものの,その命令を実行すべき兵自身が悪口に加担していたのだから,もちろん何の効果もない。
どうやらこの騒ぎのきっかけは,誰かがやたら握手を求めたことだったらしい。最初のうちは王侯や兵士が入り乱れて賑やかに握手会が続いていた。この様子を見て,トランプ王室の人間関係に興味を持ったスペードのエースは,自分も含めて兵士や王侯の誰が誰と握手したかを調べてみた。騒ぎの初期段階だったこともあり,皆がよく覚えていて調査は順調に進んだが,その結果はなかなか興味深いものになった。各人の社交性には結構ばらつきが多く,ほとんど握手しなかった者からほぼ全員と握手した者まで,各人の握手した相手の人数はまちまちだったのだ。
さて,ここで問題である。握手の相手の数がまちまちだったとはいえ,52人の中には握手した人数が同じであるような2人が必ずいることを証明してほしい。念のため付け加えると,同じ人と2回以上握手した場合も1人としてしかカウントしない。握手会に参加したのはトランプ王国の52人だけだ。
実は,スペードのエース自身を除くと,他の51人は,握手した人数が全員まちまちだった。ということは,先の問題と合わせると,スペードのエースと握手人数が同じだった人が他に1人いることになるが,その握手人数が何人かわかるだろうか?
さらに,この調査結果をスペードの王侯と兵士だけに制限してみると,エースを除く各スペードたちは,異なる人数のスペードたちと握手していたことがわかった。この場合,エースが握手したスペードの人数は何人だったかわかるだろうか?
答えは,2015年08月号に掲載
