パズルの国のアリス

絨毯の絨毯爆撃(解答)

坂井 公(筑波大学) 題字・イラスト:斉藤重之

 最初の問題は,次のようなシステマティックな手順で解決できる。

 今,絨毯は南北に伸びる廊下全体を覆っているとし,さらに,廊下のある箇所が3重以上に覆われているとしよう。このときこの部分を覆う絨毯で,その南端が一番南まで行っているものをSとし,同様にその北端が一番北まで行っているものをNとする。SNは同じ絨毯であることもありうる。このとき,SNを残してその箇所を覆う絨毯をすべて除いてしまっても,絨毯が廊下全体を覆っているという状況は変わらない。なぜなら,取り除く絨毯の代わりをSNの2枚(もしくは,SNが同一なら1枚)で務めることができるからだ。こうして,3重以上に覆われている箇所があれば,そこでの重なりが2枚以下になるように,順次絨毯を除いていけば,やがてどこの箇所でも重なりはせいぜい2枚とすることができる。

 次の問題に答えるには,このせいぜい2重になって敷き詰められている絨毯の中に,他のものに完全に覆われているか,あるいはその上に完全に載っている1枚がある場合に,それを除くことから始めよう。こうしても,廊下全体が絨毯で敷き詰められているという状況は変わらない。すると絨毯は,どの2枚をとっても,まったく重なりがないか,一方の南の部分と他方の北の部分が一部重なるだけという状態になるから,北から南に向けて順に番号を振ることが可能になる。

 ここで奇数番を振られた絨毯全体と偶数番を振られた絨毯全体を考える。もし奇数番だけでも偶数番だけでも廊下の半分を覆えないとしたら,絨毯全体で廊下を完全に覆えるということに反する。また,奇数番同士と偶数番同士では絨毯は重なることがない。なぜなら,そういうことがあると,その間の番号の絨毯を含めて3重以上の重なりができてしまうからだ。従って,奇数番を振られた絨毯の全体,もしくは,偶数番を振られた絨毯の全体は,重なりがなく,廊下の半分以上を覆う。

参考にした本
Mathematical Puzzles:A Connoisseur's Collection(2004),
Mathematical Mind-Benders(2007) P. Winkler。
邦訳は『とっておきの数学パズル』(2011年),『続・とっておきの数学パズル』(2012年),ピーター・ウィンクラー著,坂井公・ 岩沢宏和・小副川健訳,日本評論社。

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