サンドイッチ勝負の行方(問題)
帽子屋と三月ウサギが一列に並べた皿を前に睨み合っている。そばには,スライスしたパンの山が積んであり,その隣に,これも薄切りにしたチーズ・ハム・レタス・トマトが積んである。グリフォンが2人の様子をながめてニヤニヤしている。
また帽子屋に怒鳴られそうだが,好奇心ではちきれそうになったアリスが,「今日のお茶会はサンドイッチ付きですか?」とおっかなびっくり口を出すと,グリフォンが代わりに答える。「まあ,そうなんだが,ただ食べるのでは面白くないだろうから,俺がちょっとゲームの提案をしてみたんだ」。
アリスの好奇心がますますふくらんだ様子を見て,満足そうにグリフォンは続ける。「最初に皿を何枚か一列に並べておく。そしてその中から交代に空いている皿を選び,そこにパンを1切れ載せるかサンドイッチの具を好きなだけ載せる。さて,問題はここからだ。自分の番のときに,パン皿,具皿,パン皿という順の並びができたら,その材料を使ってサンドイッチを作って食べることができる。それで1ラウンド終了で,次のラウンドはまた空き皿を並べるところからやり直しだ。もちろん2人とも食べられないまま皿が全部埋まっても引き分けでラウンド終了だけどね」。
「ところがね,この2人ときたら,さっきから何ラウンドもやってるのに,引き分けばかりで何も食べられないでいるんだ」と,いつのまにかポットの中から頭だけ出したヤマネが,眠そうだがイライラした様子で補足する。
「うるせいやい」とそれを聞いた帽子屋。「じゃあ,引き分けのラウンドは,おめえが好きなサンドイッチを作って食べてもよいことにしてやる」と言って,すぐにしまったという顔になった。三月ウサギも,「余計なことを言いやがって」という顔で睨んでいるが,こうなるともう後には引けない。
さて,この勝負,2人が最善を尽くすと,引き分けになってヤマネに漁夫の利を得させてしまうのだろうか?それとも,先手か後手のどちらかに必勝法があるのだろうか? 最初に並べる空き皿の枚数によってどうなるかを2人に代わって調べていただきたい。
ヒントを1つ。序盤でのパン皿の配置がゲームの帰趨に大きく影響する。
答えは,2012年1月号に掲載
