トランプたちの行進(問題)
不思議の国のトランプ城では,毎日正午に大手門前の通りでハートの兵士たちによるパレードが行われる。
大手門を挟んで通りの東と西の端に守衛所があり,それはちょうど200m離れている。その間にハートのエースから10まで10人の兵士たちが適当な間隔で並び,正午になると一斉に左右どちらかに歩きだすのだ。兵士たちはゆっくりと全員が同じ速度で歩き,2人の兵士が鉢合わせすると,2人ともそこでくるりと向きを変え,逆方向に同じ速度で進む。ただし,東西どちらかの守衛所までたどり着いたら,その兵士の行進は終わりで,守衛所に入って休む。
ある日ハートの王が閲兵していると,1人の兵士があまりに早く守衛所にたどり着いてさっさと休憩に入ったことがあった。そこで,王は,全員になるべく長く行進を続けさせる方法はないかと考えた。王の期待に応えて,最初の兵士が守衛所に入るのをなるべく遅くするには,兵士を初めにどのように配置し,それぞれをどちらの方向に歩かせれば良いだろうか? ただし,大勢が固まって歩くのは美観を損なうので,最初,兵士たちは互いに15m以上離れた位置からスタートするものとする。
さて,正午のパレードは国威の誇示のためであり,あまり実質的な意味はないが,毎晩10時から翌朝の6時までは,ちゃんとした夜の警備がある。兵士たちが日替わりで城の周囲に歩哨に立ち,パトロールをするのだ。城の周りをぐるっと回る全長4kmの周遊路があり,そこを巡回するのだが,パレードのときと同様に,2人の歩哨が出会うと両者ともそこで反対に向きを変えて進み続ける。どの兵士も歩く速度は常に一定で時速4kmだ。
今晩はクラブが当番で,エースから10までの10人がパトロールに出ていた。夜更かしをしたアリスが見ていると真夜中の12時ちょうどにクラブのエースが大手門の前を通過した。クラブのエースが1時ちょうどに再び大手門の前を通過する確率はどのくらいだろうか? ただし,兵士たちが最初に歩き出す位置と方向は全くランダムであるとする。
答えは,2010年4月号に掲載
