日経サイエンス  1999年8月号

アポロから30年 月探査に再び脚光

ScientificAmerican 編集部

  1969年7月20日,「静かの海」に着陸したアポロ11号のアームストロング船長と,オルドリン飛行士は,月を歩いた初の人類となった。2人に続いて3年間で10人の宇宙飛行士が月に降り立った。アポロ計画で強烈なインパクトを人々に与えたのは,3万2000枚に及ぶ月面の写真で,その中には,飛行士たちが宇宙服に取り付けられたカメラで撮影した数千枚の写真も含まれている。
 ただ,一般の人々の目に触れる月面写真のほとんどは,飛行士が撮影したオリジナルのフィルムから何度もコピーを繰り返した後のもので,実際には画像の鮮明さがかなり落ちていた。
 だが最近出版された『Full Moon』(Alfred A. Knopf, 1999)は違う。この本には,129枚のアポロ飛行士たちによる写真が掲載されているが,これらはオリジナルフィルムを直接コピーしたものをデジタル取り込みした画像だ。シャープで鮮明な画像によって,当時の月への旅の模様が,余すところなく再現されている。今回はそのうちの3枚を掲載した。そのうちの1枚は月面のパノラマ写真で,雑誌から取り外してポスターとして使うことができる。