日経サイエンス  1999年4月号

前立腺ガンの最新治療

M. B. ガーニック(ハーバード大学) W. R. フェア(スローン・ケタリング記念ガンセンター)

 米国における前立腺ガン死亡率はここ数年間低下してきてはいるが,依然として多くの人命を奪っている。1998年の米国の前立腺ガン罹患数は18万4500人,死亡数は3万9200人と推定されている(日本での死亡数は1995年5399人。データは財団法人がん研究振興財団「がんの統計1997」による)。そのため,研究者は前立腺ガンのよりよい治療法を捜し続けている。あらゆる患者に当てはまるような理想的な解決策を手にした訳ではないが,最近の興味深い発見は注目に値する。
 そのなかのいくつかは,治癒可能な微小前立腺ガンを発見するための検診(スクリーニング検査)に関するもの。なかでも注目されるのは,前立腺ガンから放出されたタンパク質,「前立腺特異抗原(PSA)」を測定する検査方法である。ガンがある場合には,PSAの血中濃度が高くなので,そのような人を対象に,より詳しい検査を行うことで,早期に発見し,適切な治療方針を立てることが可能になる。

著者

Marc B. Garnick / William R. Fair

2人は前立腺ガンの新しい治療法に関する国際会議を主催している。ガーニックはハーバード大学医学部の教授(臨床)を務め,ベス・イスラエル医療センターの医師としても勤務している。また,マサチューセッツ州ケンブリッジにあるプリーシス・ファーマシューティカル社の医療担当役員を務める。フェアは,ニューヨーク市にあるスローン・ケタリング記念ガンセンターの泌尿器腫瘍科長で,J.and R. Bemdheim記念前立腺ガン研究センターの所長。コーネル大学医療センターの泌尿器学の教授でもある。

原題名

Combating Prostate Cancer(SCIENTIFIC AMERICAN December 1998)