日経サイエンス  1998年8月号

特集:テレビが変わる

A. ソベル(Journal of the Society for Information Display誌) J. S. リン(マサチューセッツ工科大学) 江口正人(日経産業消費研究所)

 迫力ある画面を求めてテレビはしだいに大きくなっているが,ブラウン管は重い上に,奥行きが長くてかさばる。デジタルテレビの美しさを満喫するためには,40インチ以上の画面でなければだめだと言われているが,ブラウン管でその大きさを実現するのは難しい。現在,40インチ以上の美しい画面を作ることができるのはプラズマディスプレーパネルである。そのような大画面で効果を発揮するデジタル放送も,今年11月から米国で始まる。カラー放送が始まるときには,白黒受像機でもカラー放送を受信できたが(もちろん画面は白黒である),今回の米国の方式では,従来のテレビでデジタル放送は受信することはできない。

 

これからの薄型大画面ディスプレー  A. ソベル

 

デジタル放送が始まる  J. S. リン

 

活発化する日本のデジタルメディア競争  江口正人

 


著者:Alan Sobell
35年以上ディスプレーの研究開発をしてきたコンサルタント。イリノイ州在住。Journal of the Society for Information Displayの編集長で月刊のinformation Displayに寄稿。コロンビア大電気工学科卒業。ブルックリン工科大学から博士号を得た。

著者:Jae S. Lim
1978年にマサチューセッツ工科大学(MIT)の助教授になり,現在はMITの電気工学・コンピューター科学部の教授。またMITの次世代通信研究プログラムの責任者でもある。専門分野はデジタル信号処理とその技術の映像,音声などへの応用。この7年間は米連邦通信委員会の次世代テレビ規格化作業に参画。正式な評価実験が行われた5つのデジタル・システム提案の1つ,MIT/G.I. システムの設計に参加。MITはグランドアライアンスを構成するコンソーシアムの一組織で,グランドアライアンス・システムの設計にも参加。このシステムが,1996年12月に米連邦通信委員会によって決定された米国におけるデジタルテレビ規格の基礎になった。この小論文は筆者個人の意見をまとめたものである。彼はMITのスタエリン(David Staelin )の貴重な助言に謝意を表明している。

著者:江口正人(えぐち・まさと)
日経産業消費研究所主任研究員。産業技術の動向に詳しい。

原題名

Television's Bright New Technology / Digital Television: Here at Last(SCIENTIFIC AMERICAN May 1998)