
和算家の解答をたどることにしよう。上の図のように記号をとり,AP = x を積分変数とする。図より
PQ2 = OQ2 – OP2 = r2 -(r – x)2 かつ PT2 = MT2 -PM2 = t2 – (t – x)2
を得る。さらにQT2 = PQ2 – PT2 =(2rt – x2) – (2tx – x2) = 2x(r – t) を得る。
このことから
次に微分を求めるが,ここでは和算家の方法をたどって次の図解を紹介する。
図より,
すなわち
このことから,
を得る。
後は積分計算となる。和算家は積分の計算をするとき,整関数の場合はもちろんのこと無理関数の場合にもこれを展開して求めた値を表として持っていた。したがって,現代で用いる不定積分に相当するものを使わなくても積分計算は自由に行なっていた。さらに部分積分に該当する積分値も求めていた。ここでは,現代の方法を使う。さて求める最終結果は次のようになり,算額にはこの最終結果が明記されている。
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