
和算家は「ケージーの定理」を知っていて,それを利用している。ケージーの定理は以下の通り。
1つの円に接する4個の円Ci(i= 1,2,3,4)に関して,接点間の距離tij(i, j = 1,2,3,4)には次の関係がある。
t12t34 + t14t23 =t13t24
この問題では,aを正方形の辺の長さとし,r1,r2,r3,r4をそれぞれ右上,左上,左下,右下のオレンジの円の半径とする。ケージーの定理を利用したいので,それぞれ2つの円の接線の長さを求める。O1とO2,O2とO3,O3とO4,O4とO1の4つの接線の長さは簡単に求められる。O1とO3については中心からの距離が必要になるが,これはピタゴラスの定理(三平方の定理)から求められる。ケージーの定理を使うことにより,次の関係を得る。
これを二次方程式にして解けば,次の最終結果を得る。
図版: Brian Christie