日経サイエンス  1998年7月号

算額の問題4の答え

 

この問題は,初めにオレンジの正方形からできる緑の三角形が相似であることに気づけば解ける。このとき,和算家はこれら3個の正方形がどのような関係になっているかに注目している。
3個の正方形の辺の長さをそれぞれ t1, t2,t3とする。ただし,t1> t2>t3。このとき,AC = b = (sinq + cos-1q) t1 。ここで,qは角ABCを表す。同様の方法で,t1 =(sin q + cos-1q) t2 かつ t2 =(sin q + cos-1q) t3 が得られる。したがって,t22 =t1t3 となる。これは,最大,中間,最小の円の半径を r1,r2,r3とすると,r22 = r1 r3である。言い換えると,r2はr1とr3の相乗平均である。
和算家は上の方法で,答えを得ていた。

 


図版: Brian Christie

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