日経サイエンス  1996年9月号

これからの光ディスク技術 I

新世代の情報メディアDVD

A. E. ベル

 今秋,現在のコンパクトディスク(CD)より記録容量がはるかに大きなDVD(デジタル万能ディスク)製品が発売される。2枚のCDを張り合わせた格好で,記録容量は最大で17ギカバイトになる。高品質の映像・音楽・データなどを再生でき,数年後には自由に書き込みもできるタイプの製品も登場する。マルチメディアを本格的に楽しみ,使いこなす時代が目の前に来ている。

 

 DVDの規格づくりは難航した。ソニー・フィリップス陣営と東芝・松下・タイムワーナー陣営が対立したからだ。しかし,VTR戦争の二の舞を避けるため,専門家グループが製品の互換性を確保する作業を進め,昨年12月にDVD-ROMの世界統一規格が完成した。同グループはさらに,関連規格の作成を続けている。

 

 DVDの慣例的に「デジタル・ビデオディスク」と呼ばれるが,これは機能を映像関連に限定するので不適切だ。Vはversatileの頭文字で,音楽,コンピューター・データ方面にも威力を発揮するので,「万能」と表記するのがふさわしい。

(編集部)

著者

Alan E. Bell

1974年RCAに入社し,現在用いられている光記録製品のキーテクノロジーの多くを発明・開発した。1982年にIBMに移り,その後さまざまな地位についた。1995年にはコンピューターシステム会社の代表者が集まった「テクニカル・ワーキング・グループ(TWG)」の座長を務め,DVDの規格統一に携わった。ロンドン大学のインペリアル・カレッジで物理学のPh.D.を取得している。

原題名

Next-Generation Compact Discs(SCIENTIFIC AMERICAN July 1996)

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