日経サイエンス  1996年9月号

これからの光ディスク技術 II

情報密度を高める青色レーザー

R. L. ガンシャー(パデュー大) A. V. ヌルミコ(ブラウン大学)

 光ディスクを超大容量化するには,情報の書き込みと読み取りをする“針”である化合物半導体レーザーの波長をさらに短くする必要がある。現在の波長は820nmの赤外線を使っているが,DVDでは赤色を採用する。将来的には460nmの青色レーザーが開発されて赤色に取って代わるだろう。

 

 しかし,青色レーザーの開発は容易ではない。第一に,光のもととなる正孔を供給する素子構造を作るのがきわめて困難だったからである。第二に,正孔と電子が結合して発する光を素子の中に効率よく閉じ込めてレーザー発振させなければならない。

 

 1990年代に入って,日米の研究者たちが素子設計を改良し,低温での連続発振,室温でのパルス発振を可能にしてきた。実用上の目標は室温での連続発振である。そのためには半導体結晶中の格子欠陥を極端に減らすことが条件である。(編集部)

著者

Robert L. Gunshor / Arto V. Nurmikko

両者は12年に及ぶ共同研究を続けている。ガンシャーはパデュー大学電子工学科のトーマス・ダンカン殊勲教授である。ヌルミコは,ブラウン大学理学部および工学部の教授であり,先端材料研究センターのディレクターでもある。

原題名

Blue-Laser CD Technology(SCIENTIFIC AMERICAN July 1996)