日経サイエンス  1996年2月号

意識は神経科学で説明できる

F. クリック(ソーク生物学研究所) C. コッホ(カリフォルニア工科大学)

 私たちは現在のところ,意識の謎を解くという問題に近づく最も良い方法は,意識には神経の何が対応するか,すなわち,最も直接的に意識の原因になるものは何かの発見に全力を傾けることだと信じている。意識と最もよく対応するニューロン群が,大脳皮質のどの場所にあるかを決定し,それらのニューロンが脳の別の場所のどのニューロン群に結合しているかを見いだすことによって,チャルマースが「むずかしい問題」と呼んでいるもの,すなわち,大脳内のこのような過程から,主観的経験がどのようにして生じるかを,完全に説明する方法の真相に到達できるかもしれない。

著者

Francis Crick / Christof Koch

クリックはサンディエゴにあるソーク生物学研究所の特別研究教授,コッホはカリアォルニア工科大学の計算機および神経システムの教授である。

原題名

Why Neuroscience May Be Able to Explain Consciousness(SCIENTIFIC AMERICAN December 1995)