日経サイエンス  1996年1月号

ダーウィンの最後のポートレート

R.ミルナー(Natural History誌)

 ダーウィンはその生涯にわたって公開講演やディナー・パーティー, 写真撮影会を避け続けていた。それでも,登場したばかりのカメラマンのうち何人かは,この世捨て人のような生活を送る博物学者の 姿を何とかカメラに納めていた。この新たに見つかった写真は,カリフォルニア州のサンマリノにあるハンチントン図書館が最近手に 入れたもので,ビクトリア朝時代の名士を撮っていたロンドンの写真家バロード(Herbert Rose Barraud,1845-1896)の作品で ある。1881年に写されたもので,1世紀以上も公表されていなかった。1881年は,ダーウィンが亡くなる前の年にあたる。つまり,お そらくこの進化学者の最後の写真なのである。

著者

Richard Milner

人類学者。最近はサイエンスライターとしても活躍している。アメリカ自然史博物館が出しているNatural History誌の編集者でもある。著書に『The Encyclopedia of Evolution: Humanity's Search for Its Origin』 (Henry Holt,1993)と『Charles Darwin: Evolution of a Naturalist』 (Facts on File,1994) がある。

原題名

Charles Darwin: The Last Portrait