日経サイエンス 2012年9月号

特集:ヒッグス粒子

2012年7月25日 A4変型判 27.6cm×20.6cm

定価1,466円(10%税込)

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編集部から一言

 万物に質量を与える素粒子,ヒッグス粒子とみられる新粒子が2012年7月,世界最強の加速器LHCを用いた実験で発見され,世界的ニュースとなりました。これを受け本誌は,予定していた巻頭特集を急遽差し替え,ヒッグス粒子の特集にしました。ヒッグス粒子は現在の素粒子物理学の枠組みである「標準モデル」の中で唯一見つかっていなかった素粒子でした。ただ,ヒッグス粒子が見つかって素粒子物理学が完結するということではまったくありません。そのあたりのところを特集で詳しくご紹介します。人類学に関心がある方には,南アフリカで発見されたセディバ猿人の記事がおすすめです。

特別付録:「親と子の科学の冒険2012

エッセイ:蝶の道  海野和男

カブトムシとクワガタムシ

動物園で希少動物を見てみよう

鳥のくちばしはどんな働きをするのか

ニホンイモリを飼育してみよう

テナガエビを飼育してみよう

親子で読みたい! 夏休みブックガイド

夏休みのイベント情報 自然と科学にふれあおう/星空を眺めよう

 

 

物理学

特集:ヒッグス粒子

 

最強加速器で発見  中島林彦/協力:浅井祥仁

 

質量とは何か  中島林彦/協力:浅井祥仁

 

南部陽一郎が語る対称性の破れとヒッグス  南部陽一郎

 

小林・益川両氏が語るヒッグス後  語り手:小林誠/益川敏英

 

 

天体物理学

極超新星  A. ガルヤム

 

人類進化

ホモ属直系の祖先? セディバ猿人の衝撃  K. ウォン

 

植物学

匂いを嗅ぐ植物  D. チャモビッツ

 

惑星科学

キュリオシティー 火星着陸へ  J. P. グローツィンガー/A. バサバーダ

 

法医学

サイエンス・イン・ピクチャー 心臓は語る  A. チン

 

感染症

パンデミックとバイオテロ リスク低減のジレンマ  古田彩

 

科学普及

自然史標本を救え 東北の博物館の戦い  滝順一

 

 

ダイジェスト

 

 

サイエンス考古学

南極の動物相/偵察衛星の時代/セメントの巨像/生命とは何か/戦地医療/蒸気式灌漑

フロントランナー挑む

樹木の命をクローン技術でつなぐ  中村健太郎(住友林業筑波研究所)

NEWS SCAN

●国内ウォッチ

地震による損傷の可能性指摘/京都賞とブループラネット賞決まる

●海外ウォッチ

くしゃみの効用/ジャガーは戻って来るか?/分析的な人が神を信じない理由/指の差が示すもの/カメを宇宙から追跡/プルトニウムの行方/ナンバーワンは誰だお熱すぎるのがお好き殺虫剤が脳に影響“ヒ素細菌”は幻だった?/ギニア虫根絶まであと一歩/潮だまりの風景/クモはこうして“飛ぶ”

From nature ダイジェスト

年輪に記録された謎の放射線バースト/研究者のための新しいIDシステム/惑星になれなかったベスタ

砂漠の駝鳥 当世かがく考

信頼低下は科学者だけの責任か  滝順一

ANTI GRAVITY

大きなものから小さなものまで  S. マースキー

パズルの国のアリス

遠慮深いと得する?  坂井公

グラフィック・サイエンス

五輪選手の負傷

ブックレビュー

『素晴らしき数学世界』  瀬山士郎

『脳はすすんでだまされたがる』  鈴木光太郎

<連載>森山和道の読書日記  ほか

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次号予告

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今月の科学英語