日経サイエンス 2010年10月号

宇宙のエネルギー保存則は破れているか

2010年8月25日 A4変型判 27.6cm×20.6cm

定価1,466円(10%税込)

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編集部から一言

エネルギー保存の法則──物理の授業で必ず習う基本中の基本の法則です。ところが,膨張する宇宙では遠くの星が放つ光がもともとよりも赤っぽい波長にシフトして見えます。赤い波長は青い波長よりもエネルギーが低く……。あれ? その分のエネルギーはどこへ? 宇宙はエネルギー漏れをしている?? 「宇宙のエネルギー保存則は破れているか」でじっくり解説。 SF映画『スターウォーズ』を思わせるイラストが目を引くのが「ロボットが変える戦争」。この10年で戦場は一変したそうです。兵士は出勤したら,空調の効いた部屋のコンピューターの前でロボットを遠隔操作して1万kmも離れた敵と戦い,時間が来たら帰宅して家族と夕飯を楽しむ──そんな“戦争”が現実のものとなりつつあります。 さらに,「へぇ~」が満載なのが「子どもの意外な“脳力”」。子どもは自分の思考を言葉でうまく説明できないだけで,予想以上にさまざまな“知識”を持ち,統計学的な概念や論理的な思考を通じて世界を学んでいるのです! ほかにもシワ取り美容法に使うボトックスが,バイオテロに使われるリスクを指摘する「粗悪品ボトックスとバイオテロ」,改良を重ねて,いよいよ真価を発揮できるようになったDNA医薬の話題,恐竜時代に現代的な姿の鳥がいたという話題など,今月も盛りだくさん!

宇宙論

宇宙のエネルギー保存則は破れているか  T. M. デイビス

 

軍事技術

ロボットが変える戦争  P. W. シンガー

 

心理学

子どもの意外な“脳力”  A. ゴプニック

 

医学

DNA医薬の時代  M. P. モロー/D. B. ワイナー

 

進化

恐竜世界にいた鳥  G. ダイク

 

地球環境

プラグイン車のクリーン度を問う  M. モイヤー

 

エネルギー

カリフォルニア発 汚水が生んだクリーンエネルギー  J. B. リトル

 

安全保障

粗悪品ボトックスとバイオテロ  K. D. コールマン/R. A. ジリンスカス

 

医療

骨粗鬆症治療の意外な盲点  斎藤 充/丸毛啓史

 

茂木健一郎 科学のクオリア

日本を横断するニュートリノ  ゲスト:小林隆(高エネルギー加速器研究機構教授)

 

ダイジェスト

 

サイエンス考古学

 ワクチン論争終結/飛行機はどこまで遠くなれるか/日本の海藻/地球の終焉/宿題反対

フロントランナー

 創ることで生命を知る合成生物学の日本代表  木賀大介(東京工業大学准教授)

NEWS SCAN

●国内フラッシュ

 がん化しないiPS細胞/「はやぶさ」カプセル公開/グラフェン素子の動作実証/飛び散った月のマントル物質/

 国際科学五輪の夏/コスモス国際賞決まる

●国内ウォッチ

 国際平和のためのニュートリノ研究/30光年先の「第2の地球」を探る/遺伝子の下流側に注目!

●海外ウォッチ

人工細菌は生命を知る道具遺伝する獲得形質リチウム電池の安全性夢の動きを追う目の動き/異常に静かな太陽/「QB」試運転記/サプリメントは健全か?/頭痛をもたらした胸やけ薬/分散剤への疑問

砂漠の駝鳥 当世かがく考

 地球工学に祭り上げられる炭焼き  滝 順一

ANTI GRAVITY

 私を野球から連れ出して  S. マースキー

ブックレビュー

 『ロボットという思想』瀬名秀明

 『脳と神経のはたらき』池谷裕二,

 <連載> 森山和道の読書日記 ほか

パズルの国のアリス

 偽造金貨と信用できない計測結果  坂井 公

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次号予告

今月の科学英語