日経サイエンス 2010年6月号

浮かび上がる脳の陰の活動

2010年4月24日 A4変型判 27.6cm×20.6cm

定価1,466円(10%税込)

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編集部から一言

 よく知られていることがですが,私たちヒトの身体の中で一番エネルギーを消費する器官は脳。ところが,その大量のエネルギーが何に使われているのかは,実はよくわかっていませんでした。今月の「浮かび上がる脳の陰の活動」はまさにその謎を解くもの。さらに,この陰の活動の不具合が統合失調症やアルツハイマー病に関係している可能性も見えてきました。  川が流れ,雲が浮かび,雨まで降る,まるで地球のような天体をご紹介します。どこだと思います? 土星最大の衛星タイタンです!  ほかには,生命活動が地球の鉱物を多種多様に進化させたとする「鉱物進化論」,猛毒・硫化水素の人体での意外な役割,寄生菌によって性質の変わる虫など。

神経科学

浮かび上がる脳の陰の活動  M. E. レイクル

 

惑星科学

冷たい地球 衛星タイタンの姿  R. ローレンツ/C. ゾーティン

 

鉱物学

生物が作った多様性 鉱物進化論  R. M. ヘイゼン

 

動物行動学

ミミズ遣いのワザ  K. カタニア

 

物理学

総力戦で初期宇宙に迫る  中島林彦

 

医学

救命毒ガス 硫化水素  R. ワン

 

エネルギー

核融合炉は本当に可能か?  M. モイヤー

 

環境

森で実験 気候変動の影響  S. D. ブルシュレーガー/M. ストラール

 

茂木健一郎 科学のクオリア

細菌によって変わる虫たち  ゲスト:深津武馬(産業技術総合研究所)

 

 

ダイジェスト

 

サイエンス考古学

宇宙飛行士かスタントマンか/適法な飛行/スリル満点の競争/治癒効果/悪臭漂うテムズ川

フロントランナー

日本のエイズワクチンを臨床試験へ/俣野哲朗(東京大学医科学研究所感染症国際研究センター教授)

NEWS SCAN

●国内フラッシュ

はやぶさ」6月帰還へ地球の中心と同じ超高圧・超高温を達成!/アジア各国科学の実力/折戸賞と戸塚賞決まる/星の位置を正確に 20年ぶり衛星打ち上げへ/「土牛の桜」実物と再会/ 地球コアに新たな対流?/「あかり」 が見た130万天体/富士山頂での研究継続へ/200mの超電導直流送電

●国内ウォッチ

原始の星の光が決めた?生命の素の「左と右」/将棋ソフトと長期予報の共通点/東大を手玉に取った男ついに処分/かすかな動きでITを駆使 重度障害者のパラリンピック

●海外ウォッチ

はるばる来たぜマダガスカル/ネット版ブルバキの実力/バイオ燃料を作る大腸菌/高かった海水面/予防薬の利点とリスク/絶滅寸前だった初期人類/音がにおう!/“三次喫煙”に発がん物質/IPCC報告書の誤りで評価委

砂漠の駝鳥 当世かがく考

イノベーションの担い手はだれなのか  滝 順一

ANTI GRAVITY

失われたネタを求めて  S. マースキー

ブックレビュー

『セレンディピティと近代医学』山崎幹夫

『進化のなぜを解明する』渡辺政隆,

<連載> 森山和道の読書日記 ほか

パズルの国のアリス

“公平な分配”で独り占め  坂井 公

Information

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次号予告

今月の科学英語