日経サイエンス 2010年3月号

未来を変える20のアイデア

2010年1月25日 A4変型判 27.6cm×20.6cm

定価1,466円(10%税込)

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編集部から一言

画期的な発明品だけでなく,ちょっとしたアイデアだけでも,世界ががらりと変わることがあります。今月のトップ記事は提携誌SCIENTIFIC AMERICANの編集顧問委員会が選んだ未来を変える可能性を秘めた20のアイデアです。 編集部員がみんな感嘆しながら読んだのは「2000年の眠りから覚めたギリシャの計算機」。海底に沈んでいた古代ギリシャの謎の装置「アンティキテラの機械」をめぐるミステリーです。その復元プロセスには本当にわくわくします。それにしても,2000年も前にこんなにも精巧で,複雑な計算ができる装置があったとは!!! 今回は“海底モノ”が続きます。深海底で見つかったまったく新しいタイプの熱水噴出孔「ロストシティー」は,これまで見つかっていたような酸性の熱水を噴き出すブラックスモーカーとは違い,アルカリ性の熱水が出ています。 そこからは生物由来ではない有機物も見つかっています。ここが生命誕生の地だったのかも・・・。 もう1つ“海底モノ”を。日本が誇る科学掘削船「ちきゅう」です。水深数千メートルの海底から,さらに数千メートルを掘り,マントルまでのコアをいう計画。茂木健一郎さんが「ちきゅう」に乗り込んでの対談・特別版です。迫力ある写真もぜひ,お楽しみ下さい!

技術革新

未来を変える20のアイデア  SCIENTIFIC AMERICAN編集部

 

生命

深海底のロストシティーが語る生命の起源  A. S. ブラッドリー

 

考古学

2000年の眠りから覚めたギリシャの計算機  T. フリース

 

天文

ブラックホールの容貌(かたち)を撮る  A. E. ブロデリック/A. ロブ

 

環境

ツンドラの湖に潜むメタン  K. W. アンソニー

 

医学

ATPの意外なはたらき  B. S. カーク/G. バーンストック

 

エネルギー

石油資源を搾り出す  L. マウゲーリ

 

画像技術

サイエンス・イン・ピクチャー きらめく生命の小宇宙  G. スティックス

 

茂木健一郎 科学のクオリア

海底下に眠る地球の歴史を掘り起こす  ゲスト:倉本真一(海洋研究開発機構)

 

 

ダイジェスト

 

サイエンス考古学

 現代農業/医療用モニター/キュリーとドビエルヌ/着火ガラス/ワクチンのすすめ

NEWS SCAN

脳を照らし出すオプトジェネティクス/小さなティラノサウルス発見/結果にワープする高速アルゴリズム/細胞移植に再び脚光/標準は“炭素惑星”?/“クライメートゲート事件”の空騒き/公共の場でもはっきり聞こえる補聴器システム選挙と闘争ホルモンの関係 ほか

フロントランナー

 量子計算の新たなパラダイムを作る  山本喜久(スタンフォード大学)

砂漠の駝鳥 当世かがく考

 コペンハーゲンを乗り越えて  滝 順一

TREND

 宇宙ステーション利用,軌道に

ANTI GRAVITY

 ちゃんと仕分けてよ!  S. マースキー

ブックレビュー

 『重力の再発見』福江 純

 『生き延びること』青野 透,

 <連載> 森山和道の読書日記 ほか

パズルの国のアリス

 トランプたちの行進  坂井 公

Information

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次号予告

今月の科学英語