日経サイエンス 2009年7月号

暗黒エネルギーは幻か?

2009年5月25日 A4変型判 27.6cm×20.6cm

定価1,466円(10%税込)

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編集部から一言

いまのところ,今回の新型インフルエンザは,致死率はそれほど高くないようです。とはいえ,新興感染症の脅威が減ったわけではありません。猟師など野生動物の体液に触れる機会の多い人々の協力を得て,新興感染症の出現をいち早く察知する監視プロジェクトがスタートしました。 日本でもミツバチ不足が深刻になっています。このままでは果物や野菜の供給にも支障が出るかもしれません。「消えたミツバチの謎を追う」では,不気味な蜂群崩壊症候群の原因に迫ります。 表紙の記事は「暗黒エネルギーは幻か?」 90年代の観測結果は,宇宙の膨張スピードがだんだんと速くなってことを示していました。これを説明するために想定されたのが暗黒エネルギーの存在です。しかし,私たちの天の川銀河が,たまたま宇宙の中でもちょっと特別な場所に位置していると仮定すれば,暗黒エネルギーなしでも,加速膨張しているように見えることを説明できるというのです!

宇宙論

暗黒エネルギーは幻か?  T. クリフトン/P. G. フェレイラ

 

生命科学

蜂群崩壊症候群 消えたミツバチの謎  D. コックス=フォスター/D. ファンエンゲルスドープ

 

材料科学

緑色レーザーの夜明け  中村修二/M. リオーダン

 

公衆衛生

インフルエンザ,エイズ,エボラ… 未知の感染症を防げ  N. ウルフ

 

地球科学

海洋地殻はこうして生まれる  P. B. ケレメン

 

進化

サルが見た色の世界 色覚の進化をたどる  G. H. ジェイコブズ/J. ネイサンス

 

精神医学

戦争が生んだPTSDという社会現象  D. ドブズ

 

サイエンス・イン・ピクチャー

超大陸分裂と恐竜の進化  中島林彦/協力・冨田幸光

 

 

 

ダイジェスト

 

サイエンス考古学

 ヴォルフガング・パウリ/アルカロイド/ナイター事始め/消化/泡立つ水/チェスの堕落

UPDATES

 渦巻く感覚/幹細胞治療,一歩前進/月の方向転換/ヤギが作った抗血栓剤

NEWS SCAN

見えてきた新型インフルエンザの起源/背景放射のスペクトルを追え/黙って増えろねえ,スイッチ入れてがんと戦うチップ/日本植物学会誌がベスト100入り/ボートを浮かべろネアカかネクラか虫下しノイズで働く論理回路猿の計画/最大のレーザー施設 ほか

いまどき科学世評

 遺伝子の戦略と人間の不見識  塩谷喜雄

パズルの国のアリス

 完走せよ!コーカスレース  坂井 公

茂木健一郎と愉しむ科学のクオリア

 日本語で考える科学は亡びるか  水村美苗(作家)

個性派 ミュージアム巡礼

 鶴岡市立加茂水族館  文・写真:キュラトゥス

ANTI GRAVITY

 知られざるナマケモノの素顔  S. マースキー

TREND

 『天使と悪魔』と素粒子物理学

ブックレビュー

 『宇宙を織りなすもの』  佐々木節

 『植物を考える』  中西真人

 <連載> 森山和道の読書日記 ほか

Information

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次号予告

今月の科学英語