日経サイエンス 2008年5月号

特集:革命前夜の物理学

2008年3月25日 A4変型判 27.6cm×20.6cm

定価1,466円(10%税込)

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編集部から一言

万物の成り立ちを説明する素粒子物理学。これに興味があるのなら,今月号は永久保存版になること間違いなし! 39ページに及ぶ特集「革命前夜の物理学」をはじめ,ニュートリノに質量があることを明らかにした連載の2回目,さらには茂木健一郎さんの対談(超ひも理論)まで,今月はまさに革命前夜にある物理学を,その興奮とともにお伝えします。 物理学以外では,人体の驚異を2つ。医学関連でまったくの未踏の分野であるマイクロキメリズムと歌声の秘密をご紹介。人間の,とくに優れた歌手の歌声を可能にする声帯って,素直にすごいなと思います。 温暖化の話題も1つ。海面上昇の要因として,IPCCも見過ごしてきた新たな脅威をご紹介します。南極とグリーンランドの氷床が一気になだれ落ちる危険があるのだとか。そうなれば世界中の海面が数mから数十mも上昇。じわじわと解ける影響や海に氷が流れ入る影響は考慮されてきましたが「一気に」となると話はまったく別です。氷床の下を流れる水が潤滑油となり,雪崩のように氷床が海へと滑り落ちる恐れがあることが,最近になってわかってきました。

 

物理学
特集:革命前夜の物理学

 

史上最強の加速器 LHC稼働へ  G. P. コリンズ

 

「その時」を待つCERN  中島林彦/協力:近藤敬比古

 

ヒッグスだけじゃない LHCが変える素粒子物理学  C. クイッグ

 

動き始めた国際リニアコライダー構想  B. バリッシュ/N. ウォーカー/山本 均

 

日本の進む道  中島林彦

 

 

医学

マイクロキメリズム あなたの身体に潜む“他者”の細胞  J. L. ネルソン

 

気候変動
海面上昇を招く新たな脅威 なだれ落ちる氷床  R. E. ベル

 

生理学
歌声の科学  I. R. ティッツェ

 

技術
微粒子ICタグ  T. ホーニャック

 

短期集中連載 カミオカンデとスーパーカミオカンデ 物理学を変えた四半世紀 2
素粒子論の標準モデルを超えて  中島林彦/協力:戸塚洋二

 

ダイジェスト

サイエンス考古学

 自己/地球ダイナモ理論/いも虫トラクター/視覚障害者のための雑誌/内密の飛行機実験/綿花は王様

NEWS SCAN

つぶれた形の太陽系/米国が衝撃の予算カット/原人は恋人だった?/本当のテレポーテーション/人種からDNAへ/刮目すべき効果/協力のための選り好み/寝る子はスリムに育つ/草から作れエタノール/細胞活動を磁力で制御/新世界より/黒より黒く/数理的な結晶  ほか

Updates

下方修正されたエイズ感染者数/プリオンなしのプリオン病?/フラクタル判定に異論/アルプスの谷間に日いまだ差さず

いまどき科学世評

 生命倫理に見るお国ぶり/塩谷喜雄

ウソかマコトか?

 抗菌石けんは有害無益なの?

茂木健一郎と愉しむ科学のクオリア

 超ひも理論は世界を説明できるか/ゲスト:川合 光(京都大学)

個性派 ミュージアム巡礼

 つやま自然のふしぎ館/文・写真:キュラトゥス

現代からくり拝見

 映像合成技術

TREND 

 大津波を起こす巨大断層の採取に成功

ANTI GRAVITY

 くしゃみ白書!/S. マースキー

ブックレビュー特集

 “常識”を覆す研究に着目/篠田謙一
 自然の基礎を身につける/佐々木節
 人の営みとしての科学/風野春樹
 連載 森山和道の読書日記 ほか

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