日経サイエンス 2005年10月号

砂に隠された湖 変化に富む火星の姿

2005年8月25日 A4変型判 27.6cm×20.6cm

定価1,466円(10%税込)

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編集部から一言

ずいぶんとたくさんの探査機や周回衛星が火星を調べてきました。これまでにわかっている火星の素顔をおさらいするのが今月のトップ記事。
太古に思いをはせたいのなら,恐竜の大きさの謎やマンモスがおすすめ。スケールの大きさでは「反物質をつくる」もなかなかのものかと。
もっと身近な話題をというのなら,「肥満」や「悪用される科学」をどうぞ。

 

惑星科学

砂に隠された湖 変化に富む火星の姿  P. R. クリステンセン

火星は太古から乾燥した大地が広がっていたのか,それともかつては水をたたえていたのか──。この論争にようやく答えが出た。火星の環境は一様ではなく,地球同様,複雑だった。

 

環境技術

CO2を“埋葬”する  R. H. ソコロウ

発電所から出る大量の二酸化炭素を回収して地中深くに埋めれば,地球温暖化を食い止められるかもしれない。その挑戦が始まった。

 

古生物学

恐竜が大きくなれたわけ  J. R. ホーナー/K. パディアン/A. ド・リクレ

恐竜の成長速度は爬虫類としては桁外れに速かったようだ。骨の中に残る成長の記録から,鳥への進化の軌跡もわかってきた。

 

神経科学

パーキンソン病 治療への新たな手がかり  A. M. ロサノ/S. K. カリア

高齢者の病気と思われているが,60歳未満で発症する人が半数を占める。発病にかかわる遺伝子の発見で新薬開発の道筋が見えてきた。

 

健康

肥満は本当に健康に悪いのか?  W. W. ギブズ

米国では肥満のせいでいずれ平均寿命が下がると言われている。しかし,最近こうした主張に異議を唱える本の出版が相次いだ。肥満者は増えているが,それによる死亡者は増えていないというのだ。

 

健康

本当の悪玉は内臓脂肪  詫摩雅子

肥満度だけを論じていては,事を見誤る。健康に悪影響を及ぼしているのは,肥満というよりも内臓脂肪の蓄積だ。

 

物理学

反物質をつくる  G. P. コリンズ

反陽子の周りを陽電子が回る「反水素」を作り出す実験が進んでいる。もし通常の水素と少しでも性質が異なれば,従来理論が仮定してきた自然界の対称性が崩れることになる。

 

科学と社会

悪用される科学  D. マイケルズ

反論の余地がまったくない試験結果というのは科学的にあり得ない。その点を突いて,企業に都合のよいデータが横行しつつある。

 

画像解析

CTで描くマンモスの電子解剖図  鈴木直樹/J. ショシャニ/B. ビュイグ

日本の研究チームが凍土の中から発掘されたマンモスのCT撮影を試みた。筋肉や腱など軟組織の様子も初めて明らかになり,極寒のシベリアで生き抜いたマンモスの生態が浮かび上がった。

 

 

 

世界の研究室から

 9.11イン・ワシントン  小松要介(米軍保健衛生大学医学部客員助教授)

サイエンス考古学

 原子力会議/遺伝番号/地球外生命/コレラ/兵士の写真/目覚ましベッド

TOPICS

カムランドが開く新世界/お酒と脳の不思議な関係/“格安”電波望遠鏡の挑戦/ついに登場,シリコンレーザー/最古の足跡の謎/爆破テロは化学センサーで防げ/ガン再発の遺伝子パターン/信頼の香り/脳梗塞患者を救う新戦略文化を伝承するイルカ/意図を推し量るニューロン/ネバネバしたお食事/シャトルにのしかかる安全対策/分子の導電率を制御 ほか

いまどき科学世評

 シャトルと日本の宇宙開発  塩谷喜雄

旅して発見!

 再生する三宅島の自然  文・写真:金澤智

素顔の科学者たち

 ハードディスクの限界に挑む  マーク・クライダー

パズリング・アドベンチャー

 おおよそ並べ  デニス・シャシャ

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 いびつな健康志向/半導体時代を築いた静かな巨人/ジャック・キルビー逝く/新種のげっ歯類,カニョウ

ブックレビュー

 『自由は進化する』

 『飄々楽学』

 <連載>森山和道の読書日記 ほか

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