日経サイエンス 2005年9月号

生命の時計を止める 仮死状態の医療応用

2005年7月25日 A4変型判 27.6cm×20.6cm

定価1,466円(10%税込)

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  • セブンアンドワイ

編集部から一言

酸素がなくなれば死ぬ,と思っていませんか?意外なことに,低酸素状態は命にかかわりますが,無酸素状態にすると生物は仮死状態に陥って,そのまま生き続けるとか(もちろん,蘇生できます)。ただし,一気に無酸素にするのが大問題。組織にわずかに酸素が残っていると,危険な低酸素状態になるからです。詳しくは「仮死状態の医療応用」で!
科学誌のSCIENTIFIC AMERICANと経済紙のFinancial Timesがタッグを組んで総力取材した「幹細胞の未来」。SAでは定期購読の方だけにつけた内容を,日経サイエンスでお届けします。
ひも理論だの,余剰次元だの,マルチバース(多元宇宙)だのがお好きな方には「物理定数は変化する?」がおすすめです。

医療技術

生命の時計を止める 仮死状態の医療応用  M. B. ロス/T. ニスタル

人体を仮死状態に導くのはSFの世界ではありふれたアイデアだが,このおなじみの場面が現実になるかもしれない。体内の酸素を別の物質で置き換えることで仮死を引き起こす実験が進められている。最初の目標は移植用臓器の保存時間を延ばすことだ。

 

物理学

物理定数は変化する?  J. D. バロウ/J. K. ウェブ

物理の定数の値は,遠い昔にはわずかに現在と違っていた可能性がある。立証されれば,宇宙の余剰次元の存在が示されるだろう。

 

情報技術

話し上手なコンピューター  A. アーロン/E. アイディ/J. F. ピトレリ

コンピューターが人間のように話せれば,もっとうまく意味を伝えられるはずだ。最新の音声合成技術がそれを実現しつつある。

 

考古学

人類の文化の夜明け 早かった象徴表現の起源  K. ウォン

ヒトが現生人類のような知性を持ったのは,これまで考えられていた約5万年前よりもずっと昔だった可能性がある。

 

画像処理

進化したヨーダの姿 スター・ウォーズ最新作に見るCG技術  倉地紀子

実写と見まがう数々のCGシーンに,新技術が隠されている。光の散乱をモデル化したCGが皮膚などの自然な質感を生み出した。

 

スペシャルリポート

幹細胞の未来

将来の「再生医療」のカギを握る幹細胞。人体修復の夢は果たして実現するのか。科学研究と新ビジネスの最前線をSCIENTIFIC AMERICANとフィナンシャルタイムズ紙が総力取材した。

・「母なる細胞」の可能性

・成体の修復細胞を活用する

・国ごとに違う法規制

・現地報告:アジアでは ヨーロッパでは

・カリフォルニアの賭け

・走り出したベンチャー企業

・二の足を踏む投資家たち

・ドリーの生みの親が語る期待

 

 

 

世界の研究室から

 欧州のバイオ研究拠点を目指すウィーンの挑戦  花田俊勝(オーストリア科学アカデミーIMBA研究員)

サイエンス考古学

 地球観測年/北はどっちだ—地磁気の反転—大陸の形成/水不足/モールスの金メダル/発明家に警告

TOPICS

無人探査機に予算カットの危機/ITER誘致失敗は“敗北”か?/マラリアの仮面を剥ぐ/ダム開発が招く寄生虫病/砂漠のなかに両生類の孤島/暗黒エネルギー不要論/凍りついた粒/どんなにおいがお好み?/レーザーでハエを追い払う/食物ワクチンを錠剤に/彗星に命中!/これがホントの低温核融合 ほか

いまどき科学世評

 理を脅かす危うい原理主義  塩谷喜雄

素顔の科学者たち

 細胞のありのままの姿を追い求めて  廣川信隆(東京大学教授)

旅して発見!

 雨季に輝きを増す「カラハリ砂漠の宝石」  文・写真:内山晟

パズリング・アドベンチャー

 ドアの向こうに何がある?  デニス・シャシャ

現代からくり拝見

 薄型ブラウン管テレビ

WAVE

 ヒトの進化をたどるロボットの走り/立体画像の中で見えるもの,失うもの/深く掘り下げた考察

ブックレビュー

 『ゴリラ』

 『ガイアの素顔』

 <連載>森山和道の読書日記 ほか

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