日経サイエンス 2004年2月号

崩れるゲノムの常識 ジャンクに隠れていた真実

2003年12月25日 A4変型判 27.6cm×20.6cm

定価1,466円(10%税込)

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編集部から一言

表紙の摩訶不思議な絵は,「ひも理論」のひもの立場から見た時空。宇宙のあり方を説明するひも理論は,素人にはなかなか難しいのですが,語り部ブライアン・グリーンが,その研究の行方を語ってくれます。
この号から,上下2回に分けて「崩れるゲノムの常識」を紹介します。遺伝現象を司っているのは,遺伝子だけではないのです。今月号では,役に立たないとされ,「ジャンク(がらくた)DNA」などと呼ばれた配列の中に隠れていた立て役者にスポットを当てます。
そのほか,昨年ご好評をいただいた,科学技術リーダーBest50を今年もやりました。

生命科学

崩れるゲノムの常識(上)ジャンクに隠れていた真実  W. W. ギブス

ヒトゲノムを解読し個々の遺伝子を調べれば人体のすべてがわかる──という考えは幻想にすぎなかった。役立たずとされ「ジャンクDNA」と呼ばれてきた配列の中に重要な機能があった。

 

短期集中連載 ゲノムが語る進化の謎(2)

生き物の形はどのように決まったのか  倉谷滋

ゲノムの塩基配列が決まったからといって,形態が決まるわけではない。ゲノムと形態の関係は,もっとダイナミックなようだ。

 

宇宙技術

小惑星直撃から地球を救う 宇宙のタグボート

  R. L. シュワイカート/E. T. ルー/P. ハット/C.R. チャップマン

ハリウッド映画では核爆弾を使って小惑星の軌道をそらすが,この方法は信頼できない。直撃を避けるにはもっと確実な手段が必要だ。

 

地球環境

とける北極  M.スターン/D. K. ペロビッチ/M. C. セレーズ

北極圏のあちこちで温暖化の兆候がみられる。自然の気候変動サイクルの一部なのか,それとも人為的な温暖化の影響だろうか?

 

地球環境

動き始めた人工筋肉  S.アシュレー

電気に反応して変形する高分子材料が注目を集めている。モーターに代わる動力源やセンサー,発電装置などに実用化しそうだ。

 

材料科学

ブライアン・グリーンが語る ひも理論の未来

1990年代半ば以降に急進展した「ひも理論」は森羅万象を説明する究極理論に発展するのだろうか?ベストセラー『エレガントな宇宙』の著者としても知られるグリーンが未来像を語った。

 

物理学

SCIENTIFICAMERICANが選んだ 2003年のベスト50

科学技術の各分野をリードした個人や企業,団体を「研究」「ビジネス」「政策」の3部門に分けて選出。日本からはハイブリッド車の普及に力を入れたトヨタ自動車がビジネス部門の最優秀リーダーに選ばれた。

 

情報技術

デジタルデバイド解消の落とし穴  M. ウォーショー

デジタル技術に接する機会によって社会的な格差が生じている。ハードを導入するだけでなく,技術を利用する環境の整備が重要だ。

 

 

 

世界の研究室から

 北東アジアの地史解読へ向けて  江川浩輔 韓国・江原大学校

サイエンス考古学

 赤の恐怖/ウサギの伝染病/想像上の放射線/エッフェル塔/醜いヌー/海洋交通の危険/塔形のミス

TOPICS

 天文台だった7000年前の巨大サークル/クォーク4個と5個の粒子/静かな超音速機を求めて/

 生物多様性を生かす道/米国が新型の深海探査艇/遺伝子に残る噴火の傷跡/レーザー照射で飛ぶ飛行機/

 タイタンにメタンの湖?/背丈を縮めて収穫増/2秒で注げる生ビールサーバー ほか

いまどき科学世評

 科学知らずのエセ改革  塩谷喜雄

旅して発見!

 沖縄のマングローブ林をカヤックと徒歩で散策  文・写真 西森有里

パズリング・アドベンチャー

 液体スイッチで不可能なのは?  デニス・シャシャ

瀬名秀明の時空の旅

 机の上で実現する化学プラント  ナビゲーター:関 実

WAVE

 息を吐くだけで病気を診断/犯罪の証拠を追え/後発品でも安くならないバイオ医薬/なんでそうなるの?

ブックレビュー

 『メアリー・アニングの冒険』

 『欲望の植物誌』

 <連載>森山和道の読書日記 ほか

掲示板

セミコロン

次号予告

※お断り:「素顔の科学者たち」は休みました。