日経サイエンス 2003年12月号

特集:脳力増強の科学

2003年10月25日 A4変型判 27.6cm×20.6cm

定価1,466円(10%税込)

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  • セブンアンドワイ

編集部から一言

1つのテーマを対象に,さまざまな角度から見た研究を紹介する毎年恒例の特集号です。
 今年のテーマは「脳力増強の科学」。頭脳を強化し,ストレスや障害,老化に打ち勝て──と10の記事で紹介します。また,2003年の総目次がつきます。こんな記事があった,あんなのもあったと,眺めているだけで結構楽しいものです。
 さらには,特製絵ハガキの付録も。錯視図やだまし絵を3Dで見たらどうなるか? こんな部員の遊び心から生まれた企画です。

特集:脳力増強の科学

プロローグ

究極の自己改善を目指して  G. スティックス

脳は依然として大きな謎だ。精神機能を向上するという夢への挑戦が続く。

 

ニューロン新生

再生する力を引き出せ  F. H. ゲージ

大人の脳でも新しいニューロンはつくられている。病気やけがで脳が傷ついたときに,ニューロン新生を促してやれば,治癒も可能になるだろう。それだけではなく,健康な脳のはたらきをますます高めることさえ可能になってくる。

 

神経薬理

頭の良くなる薬をつくる  S. S. ホール

痴呆や認知機能障害,睡眠障害などの治療用に開発された薬に,記憶増強薬としての期待が集まっている。安全で効果の高い夢のスマートドラッグは実現可能なのだろうか。開発に当たる研究者たちの話を聞く。

 

活性化

脳を電磁刺激する  M. S. ジョージ

脳の回路をパルス状の磁場で刺激するだけで,うつ病の症状を和らげたり認知機能を高めることができそうだ。スイッチ1つで疲労を回復させることも可能になるかもしれない。

 

脳機能計測

心を読む機械  P. ロス

脳を画像化するfMRI装置は究極の“読心術師”となるだろう。あやふやな思考をとらえ,あなたのウソを見破ってしまう,ちょっと不気味な機械が現実になるかもしれない。

 

イメージング

画像が明かす学習の仕組み  小泉英明

身体を傷つけずに脳を画像化する技術の登場で,人間の脳が活動する様子を観察できるようになった。そこから生まれた成果は介護や学習の進め方を一変させるだろう。

 

fMRIの開発者 小川誠二氏に聞く  編集部

 

可塑性

鍛えれば機能は高まる  M. ハロウェイ

これまでの常識と違い,成人の脳も適切な刺激を与えればその配線を変える。脳梗塞の後遺症や読字障害の克服に実績を上げている。さまざまな精神障害の治療にも役立つと考える科学者もいる。

 

ストレス

不安とうつを克服する  R. サポルスキー

ストレスは心のバランスを崩し,不安や抑うつを引き起こす。このとき脳で生じている変化の仕組みが明らかになれば,効果の高い薬が開発できるかもしれない。

 

診断技術

心の病を見きわめる  S. E. ハイマン

心の病気は客観的な検査が難しい。だが遺伝子検査と脳画像診断の進歩によって,早期の診断と治療が可能になりつつある。

 

倫理

脳の改良は許されるか  A. L. カプラン

脳の力を高める技術は新たな不公平を生みはしないだろうか? しかし,この問題の解決策は脳の改良を禁ずることではない。

 

 

 

付録:特製絵ハガキ

「浮き出る錯視」不思議な感覚にあなたを誘う  石毛宏明/高瀬修一

錯視図やだまし絵をステレオグラムで見たらどうなるか?立体視の世界へご案内!

 

特製絵ハガキ体験記  編集部

 

 

 

世界の研究室から

 発生初期のプラチナルールを探る  三品裕司(米国立環境衛生科学研究所)

サイエンス考古学

 電波望遠鏡/現代人の心/飛行機の誕生/汽船貿易/科学者のよき友

TOPICS

ホルモン補充療法は本当に危険か/MRIに生理学・医学賞/“バリアフリー”のナノチューブ/奇妙な量子気体を求めて西ナイル熱にワクチンの可能性/アメリカ人シベリア起源説に疑問/左巻きアミノ酸優位の秘密/ハイテクピアノで筋失調症を治療/正確な重力地図/H1.5Oの謎/農業を脅かすテロの影/「水爆の父」没す ほか

旅して発見!

 ケープカナベラルでロケット打ち上げを待つ  W. W. ギブス

素顔の科学者たち

 劣化ウラン弾と戦う  ペッカ・ハービスト

パズリング・アドベンチャー

 遭難者を捜せ  デニス・シャシャ

いまどき科学世評

 無謬性のわな  塩谷喜雄

瀬名秀明の時空の旅

 工学で探る知能とは何か  ナビゲーター:中島秀之

WAVE

 電波で地震予知は可能か?/あのビデオゲームを再び/個人の創意は大切だけど…/こんな名前に誰がした

ブックレビュー

 『崩壊の予兆』

 『ゼムクリップから技術の世界が見える』

 <連載>森山和道の読書日記 ほか

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