日経サイエンス 2002年3月号

医療を変える血管新生の科学

2002年1月25日 A4変型判 27.6cm×20.6cm

定価1,466円(10%税込)

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編集部から一言

表紙は「過酷な宇宙で生き残れる場所は」からの絵。生命の材料となる元素の存在や他の天体との衝突などを考えると,宇宙で生命が誕生・進化できる場所は驚くほど狭い範囲だとか。
最初の論文はガンの新しい治療法として注目を集めている血管新生の科学。心臓病など,いろいろな疾患の治療・予防にも期待されています。
ほかには新世代のモノクローナル抗体医薬,宇宙で最初に誕生した星など,今月もさまざまな話題を集めています。

医学

医療を変える血管新生の科学  R. K. ジェイン/P. F. カルメリ

ガンは自分の周りに血管ができるように,血管新生を促進する因子を出す。これを邪魔すればガンを兵糧攻めにできるし,転移も防げる。逆に,血管新生を促すことで,心臓病などを治療できると期待されている。

 

医療

新世代のモノクローナル抗体医薬  C. エゼル

1980年代,「魔法の弾丸」と騒がれ注目を集めたモノクローナル抗体が,医薬開発の困難を経て,市場に登場するまでになった。

 

天文学

宇宙の最初の星  R. B. ラーソン/V. ブロム

ビッグバンから1億年後,漆黒の宇宙に最初の星が誕生した。コンピューターシミュレーションが星のできる様子を明らかにした。

 

宇宙生物学

過酷な宇宙で生き残れる場所は  G. ゴンザレス/D. ブラウンリー/P. D. ワード

宇宙で知的生命が住めるのは,恒星や銀河中心を中心にしたドーナツ状の部分に限られる。ただ,その部分も生命が育つには過酷だ。

 

物質科学

未来の光デバイス フォトニック結晶  E. ヤブロノビッチ

微細な周期構造を持つ人工結晶が光エレクトロニクスの未来を開きそうだ。「フォトニック結晶」の利用で超小型光ICが可能になる。

 

人類学

現生人類への道  I. タッターソル

人はいかにして人間になったのか―。人類が獲得した言語や抽象化の能力は,自然淘汰という進化の考え方では説明しきれない。

 

情報科学

パーソナルコンピューティングの知られざる起源  M. M. ワールドロップ

パソコンの生みの親はビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズではない。50年以上前に,パソコンへ発展する基礎が考えられていた。

 

 

創刊30周年記念佳作論文要約

ウルトラ赤外線銀河の謎に挑む  谷口義明

赤外線を大量に放つ銀河はクエーサーに進化したのかもしれない。

 

ナノワールド 電子顕微鏡で見た原子の世界  奥健夫

原子を直接見る技術がナノテクロジーの新たな武器になってきた。

 

創刊30周年記念佳作提言要約

 サイエンスとしてのロボティクスに関する提言  鈴木基高

 日本の「思考力」を育てるために 子どもの遊びを見直すことから  南悦子

 

 

 

世界の研究室から

 化石から魚竜の泳ぐ速度を推測する  藻谷亮介(カナダ王立オンタリオ博物館ポスドク研究員)

サイエンス考古学

論理機会/タービンの可能性/類人猿の脳の構造/自動車フィーバー/狭き門/天然痘の伝染経路/星雲説への疑問

TOPICS

ヒトクローン胚で議論沸騰/マグマが海の化学組成を変える/大規模な「量子もつれ」を実現/イオンチャンネルの構造を解明/HIVの乗り物をやっつける/4次元量子ホール効果を予言/翼をください/宇宙塵がマイクロ波を放射/プラセボ効果は幻か?/米国で逮捕されたロシアのプログラマー/遺伝子のマスタースイッチを発見

地球 塩の旅

 伊勢神宮の入浜式塩田  文・写真 片平孝

動物のおしゃべり解読学

 親子で歌うコウモリの子育て教育法  松村澄子(山口大学理学部助教授)

旅して発見!

 アリゾナ砂漠でガラスのミニ地球を探検  M. ハロウェイ

素顔の科学者たち

 温暖化に異議あり  リチャード・S・リンゼン

科学の宿題21

 スギ花粉症  編集部

パズリング・アドベンチャー

 ファッションギャング  デニス・シャシャ

WAVE

 世界最小の自律型水中探査機/見えないものを見る/あなたのチームを成功に導く秘訣

ブックレビュー

 『たんぼの季節』

 『身体―内面性についての試論』

 <連載>森山和道の読書日記  ほか

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