日経サイエンス 2001年7月号

特集:遺伝子組み換え食品の安全性

2001年5月25日 A4変型判 27.6cm×20.6cm

定価1,466円(10%税込)

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編集部から一言

表紙を飾っているのは,太陽です。昨年から今年にかけては,11年周期の太陽活動の極大期。太陽風が暴風となっている太陽嵐が地球を襲うことも・・・・
特集は遺伝子組み換え作物。この技術について,科学者は何が言えるのか,何を言うべきなのかを検証します。
些細なことがきっかけの暴力沙汰が絶えませんが,どんなタイプの人がすぐにカッとなって暴力をふるうのかを「自己愛に潜む暴力」で解析します。そのほか,赤ちゃんの臍の緒と胎盤から採取する臍帯血を骨髄移植の代わりに医療に使う話,その場に相手がいるような臨場感通信,アラスカの油田開発の話などがあります。

臍帯血移植が救う命  R. M. クライン

へその緒や胎盤から採取される臍帯血(さいたいけつ)が,造血幹細胞の供給源として注目されている。一方で,移植の安全性や倫理的問題をめぐる議論も活発になってきた。

 

医療として定着する日本の臍帯血移植  編集部

 

 

自己愛に潜む暴力  R. F. バウマイスター

ささいなことですぐに暴力をふるうのは,劣等感が強い人だと長い間信じられてきた。ところが,実際には,自己評価が高くて自己愛の強い人が最も攻撃的だった。

 

暴力だけではない自己愛の病理  編集部

 

 

 

特集:遺伝子組み換え食品の安全性

遺伝子組み換え食品の安全性をめぐり対立が深まっている。組み換え作物が予期せぬ植物を誕生させたり,生態系を乱すおそれなどが以前から指摘されているが,最近では「抗生物質に耐性をもつ病原菌の誕生を助長する」といった新たな懸念も噴き出した。科学はこの問題にどこまで判断材料を提示できるのか。

 

出口見えない科学論争  K. ブラウン

 

課題残す評価試験  K. ホプキン

 

組み換え作物で食糧危機を救えるか  R. B. ホーシュ/M. メロン

 

 

 

姿現した臨場感通信  J. ラニアー

海外にいる人も,3次元画像ですぐ身近にいるように感じられ,顔を見ながら話ができる。SF小説に登場するような仕組みが実現しようとしている。

 

カンガルー望遠鏡が拓くガンマ線天文学  中島林彦

オーストラリアの荒野に日豪協力で整備した新しいタイプの望遠鏡が,超高エネルギーのガンマ線を手がかりに宇宙のダイナミックな姿に迫りつつある。

 

衛星がとらえた極大期の太陽嵐  J. L. バーチ

太陽からやってくる衝撃波は,地球周辺の宇宙空間に激しい乱れを引き起こし,地球を回る軌道上の衛星や宇宙飛行士を危険に陥れる。

 

揺れるアラスカ油田開発か自然保護か  W. W. ギブス

アラスカ北部には北米最大といわれる石油・天然ガス資源が眠っている。この地域には北極圏の貴重な生態系が手つかずで残っているが,ブッシュ米大統領が開発解禁を打ち出し,激しい環境保護論争が巻き起こっている。

 

 

 

世界の研究室から

 サンフランシスコでエイズと闘う

  金沢智(カリフォルニア大学サンフランシスコ校ハワード・ヒューズ研究所研究員)

サイエンス考古学

化学繊維/彗星の構造/国家安全保障 vs テクノロジー/レーシング・カー/統計でみる汚染/ザバラの鉱山

TOPICS

人間を脅かす狂牛病/DVD暗号化と解読の戦い/もっと大規模な小惑星衝突があった?/大気汚染が雷を呼ぶ/歯周炎が心臓病の危険因子に/第2世代のクォークを解明するレーザー電子光/極微の大渦/期待高まる形状記憶ポリマー/ガニメデの奇妙な「海」/汝自身を知れ/脂肪から軟骨ができた!

地球 塩の旅

 死海  文・写真 片平孝

右の世界,左の世界

 双子が演じる個性の不思議  黒田玲子×大木秀一(東邦大学医学部助手)

WAVE

 スカイフック制御の新しい展開/ゾウアザラシ観察の絶好スポット/飲むほどに愉快に

錯視のデザイン学

 色彩知覚の知られざる不安定性  北岡明佳

新連載 パズリング・アドベンチャー

 傾けるな!  デニス・シャシャ

ブックレビュー

 『虹の解体』

 『鏡という謎』

 <連載>森山和道の読書日記  ほか

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