日経サイエンス 1998年7月号

特集 モバイル・コミュニケーション

1998年05月25日 A4変型判 27.6cm×20.6cm

定価1,466円(10%税込)

ご購入はお近くの書店または下記ネット書店をご利用ください。

編集部から一言

いよいよ,真の“いつでも,どこでも”通信の時代がやってきます。7月号ではモバイル・コミュニケーションの特集をします。
その他には,日本が世界に誇る和算の世界を紹介する「算額に見る江戸時代の幾何学」。その問題を見るだけでも楽しいですよ。ものすごく豊かな世界を感じます。特別企画として,算額に描かれた問題とその詳しい解答をネット上で紹介します。まずは問題を見てください。
その他,もてる雄がいっそうもてるのはなぜか,の謎にひとつの解答を出す雌の配偶者選びの話。ついに実現したボーズ・アインシュタイン凝縮,虫眼鏡のような17世紀の顕微鏡が案内するすばらしいミクロの世界を紹介します。

特集:モバイル・コミュニケーション

Scientific Americanが企画した特集です。いつでも,どこでも通信はいいけれど,そんなに個人用に電波を使って大丈夫なの?そんな疑問にもお答えします。

上のタイトルをクリックしていただければ,内容紹介をご覧いただけます。

 

イリジウムから始まる衛星携帯電話  J. V. エバンス

 

21世紀の移動通信技術  J. N. ペルトン

 

電波の奪いあいはもうなくなる  A. ヒルズ

 

カギ握るスぺクトラム拡散通信  D. R. ヒューズ/D. ヘンドリックス

 

無線ネットワークの新しい使い道  W. L. シュッツマン/C. デートリッヒ

 

次世代システムにかける日本  中島林彦

 

 

 

算額に見る江戸時代の幾何学  T. ロスマン/深川英俊

和算が生まれ,育った背景は上のタイトルをクリックして本文のさわりを見ていただくとして,皆さまには,ぜひぜひ,和算家と和算愛好者に挑戦していただきたいものです。問題はこちらです!

 

サイエンス・イン・ピクチャー 先人たちが見たミクロの世界  B. J. フォード

上の算額と同様,昔の人はすごかった,ということを教えてくれるお話。17世紀と19世紀の科学者が単純なレンズ1枚の顕微鏡で見た世界を再現します。彼らが残したスケッチほど見えていたはずはないと言う人もいますが,ちゃんと見えていた証拠をお見せします。

 

ボーズ・アインシュタイン凝縮の実現  E. A. コーネル/C. E. ワイマン

アインシュタインの73年前の予言がついに実現しました。すべての光の波長がそろうとレーザー光になるように,すべての原子のふるまいが一致したのが,ボーズ・アインシュタイン凝縮。さて,何を見せてくれるでしょう。

 

雌はどのように配偶者を選ぶか  L. A. ドゥガトキン/J.-G. J. ゴーディン

本文から面白いエピソードをひとつ。雌(実験ではたくさんの剥製)が群がっている雄に,配偶者を探している若い雌は関心を示すそうですよ。こうしてもてる男性はよりもてて,そうでない……あ,いえいえ。

 

 

 

世界の研究室から

 青い海にクジラとイルカを探す  濱崎俊秀(米海洋大気局・全米研究評議会特別研究員)

空 模様

 ブロッケンの妖怪  文・平沼洋司/写真・武田康男

TOPICS

エイズの生ワクチン臨床試験へ/パソコン時代に習字は不要か/ピロリ菌の胃ガン原因説で議論/やはり火星に生命は存在しなかった?/“環境ホルモン”に最優秀賞/遺伝子治療で拒絶反応抑制/膝の裏に体内時計を調節する“目”/ハゲ遺伝子発見 治療も可能に?/海に鉄まき温暖化防止と漁業促進/地震予知,揺らぐVAN法の根拠/携帯器機向け超小型燃料電池開発/銀河系に入り込むいて座

博物館の宝物

 世界最長 サナダムシの標本  目黒寄生虫館

脳の見方,モノの見方 15

 視覚からのぞいた心の不思議  養老孟司×下條信輔(カリフォルニア工科大学)

WAVE

 カナダのセンター・オブ・エクセレンス・計画/ユナボモー事件とカジンスキーの狂気/

 ありがた迷惑な医薬の寄付に歯止め/笑いで治療するユーモア・セラピー

数学レクリエーション

 「平均の法則」という誤解  I. スチュアート

ブックレビュー

 『アマゾン河探検記』

 『ルイス・キャロル 遊びの宇宙』

 <連載>森山和道の読書日記  ほか

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