日経サイエンス 1996年5月号

世界一明るい夜光物質の誕生

1996年04月25日 A4変型判 27.6cm×20.6cm

1,262円+税

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編集部から一言

目次の各項目からは,その論文の簡単な要旨を読むことができます。4月号からコラムなどの短い記事が変わりました。コラムの目次もぜひご覧下さい。5月号の一押しのコラムは,科学の窓の「狂牛病」です。プリオン病をずっと昔から問題にしてきた日経サイエンスならではの記事です。

世界一明るい夜光物質の誕生  村山義彦

この夜光物質は,輝度も持続時間もこれまでの10倍以上!しかも従来のものと違って,放射性物質を使っていません。綴じ込みおまけの百武彗星カードで,その明るさを実感して下さい!!。

 

クリチバ市にみる人間重視の都市計画  J. ラビノビッチ/J. レイトマン

200万人都市でありながら,交通渋滞,環境汚染とはまったくの無縁。別にハイテクを使っているわけもありません。道や建物を作るのが都市計画ではないんですよ。青島さん,ぜひ読んで下さいね。

 

彗星・小惑星は地球に衝突する  T. ゲーレルス

彗星・小惑星が地球にぶつかるとわかってから,どのくらいの時間があれば,破局を回避できるでしょう?なんと,数十年はかかるそうです。はやく見つけなくっちゃあ!核兵器で死ぬより彗星で死にたいけどね。

 

なぜアフリカでエイズが大流行しているか  J. C. コールドウェル/P. コールドウェル

エイズ多発地帯の都市では人口の25%がHIV感染者になっています。異性間のセックスだけでなぜこんなに広まったのか?そのカギは,なんと,包茎でした。

 

細胞内の輸送小胞を解明する  J. E. ロスマン/L. オルチ

細胞の中では,整然と分子が目的地に運ばれています。コンテナ輸送のような運搬の中心をになっているのが輸送小胞です。細胞って,すごいですよ。

 

量子ホール効果と超伝導の深い関係  S. キルベルソン/D. -H. リー/S. -C.チャン

量子ホール効果と超伝導――エキサイティングなこの2つのテーマは,実は,ふか~い仲だったのです。

 

ゲノム解析が医療にもたらした波紋  T. ベアズリー

遺伝病やガン関連遺伝子の検査が可能になりました。ところが,これが保険加入などをめぐる問題を引き起こしています。読めば,読むほど,なんの議論もしていない日本はこのままでいいのか,という気になります。

 

チェルノブイリ—その後の10年  Y. M. シチェルバク

あの未曾有の原発事故は,チェルノブイリ・エイズと呼ばれる複合疾病を引き起こしました。健康障害への懸念は続き,放射能の後始末もまったく進んでいません。

 

 

Letter from the Editor

世界の科学者

 カオスを物理学の対象にした実験家  アルベール・リブシャベール

Letter & Opinion

 研究費の大型化は歓迎すべきことか/暗記から実物に触れる教育へ/「文理融合」のすすめ

科学の窓

「狂牛病は人間に感染するか」

日本経済新聞社の中で,一番プリオン病に詳しい編集部の菊池が,プリオン病とは何か,研究はどこまで進んでいるのか,ウシから人間にうつるのか,を紹介します。

 

ゲノム研究会社が発足/夜空を走り抜けた百武彗星/組織切片の自動作製システム/公募型“1億円プロジェクト”が大型化

WWWトリップ

 米ロスアラモス研究所/物理学者ファインマンのページ/遺伝子のデータベース/恐竜のページ

日本どうぶつ草紙

 キタナキウサギ  文・安間繁樹/写真・山本祐治

 汚きウサギではないですよ。当たり前ですが・・

Overseas

ウイルス・トレーサーで神経伝達経路を解明/宇宙線はどこから来るか/自然界の水飲みチャンピオン/視覚のエッシャー効果/米国の兵器調達方式の改革

数学レクリエーション

 クアッド・ゲーム  I. スチュアート

ブックレビュー

 『DNAに魂はあるか』

 『原子を飼いならす』  ほか

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