
中東にある湖「死海」は塩分濃度が非常に高く,なかに入ると身体が簡単に浮いて,仰向けで雑誌を読めるほど。また,湖面が海抜マイナス424mと,地球上で最も低い位置にあることでも有名だ。その水位がいま,年間1mのペースで低下中。後退した岸辺に多数の陥没穴ができるなど,状況は深刻だ。紅海からパイプラインで水を注入する計画も検討されている。死にゆく死海と,それを生き返らせる試みを紹介する。
著者
Eitan Haddok
パリを拠点に活動する写真家・リポーターで,地球物理学と惑星科学の修士号を持つ。これまで本誌に執筆した記事として,フォトストーリー「生まれつつある海」(日経サイエンス2009年1月号)がある。
原題名
Can the Dead Sea Live?(SCIENTIFIC AMERICAN April 2011)