
ゴビ砂漠は化石の宝庫だ。著者らは2000年代に入ってダチョウ恐竜シノオルニトミムスの化石13体が集団で埋まっているのを発見した。以前には日中蒙3カ国共同調査隊が14体を発掘している。一斉に死んだのか,数千年かけて集まったのか。同時に死んだのなら,何が起きたのか? 真相がついに浮かび上がった。群れで行動していた若い恐竜たちが泥沼に足を取られ,脱出できずにそのまま死んだらしい。
再録:別冊日経サイエンス220 「よみがえる恐竜 最新研究で明かす姿」
著者
Paul C. Sereno
シカゴ大学の古生物学者。5大陸にまたがって恐竜調査を行い,これまで20種類以上の恐竜の新種を発見してきた。また,都会の若者たちに科学のおもしろさを伝えることを目的とした「探検プロジェクト」という社会活動の発起人の1人でもある。
原題名
Dinosaur Death Trap(SCIENTIFIC AMERICAN March 2011)