日経サイエンス  2011年6月号

見えてきたストーンヘンジの物語

W. アンダーヒル(ジャーナリスト)

 ストーンヘンジはロンドンから西に約200km,英国の南部に位置する環状列石だ。アングロ・サクソン人が移住してきた5世紀にはすでに存在していたこの遺跡,紀元前3000年ころに造られたとみられているが,誰が何のために建造したのかははっきりしていない。ところが,磁気計などを使った近年のハイテク調査で1kmほど離れたところに環状木柱列の跡が見つかった。3kmほど離れたところには「ダーリントン・ウォールズ」「ブルーヘンジ」といった同種の遺跡も。さらに,近くの墓に埋葬されていた遺体の化学分析から新事実が浮上,一帯が死者を送り出すとともに生者が癒しを求めて集まる大きな祭儀の場であった可能性が浮上してきた。

 

 

再録:別冊日経サイエンス210「古代文明の輝き」

著者

William Underhill

英国在住のジャーナリスト。Newsweek誌のほかEconomist誌,Guardian紙,Daily Telegraph紙など多くの雑誌・新聞に記事を執筆。特に英国の歴史に強い関心を抱いている。

原題名

Putting Stonehenge in Its Place(SCIENTIFIC AMERICAN March 2011)

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