日経サイエンス  2011年6月号

iPS細胞が変える難病研究

S. S. ホール(サイエンスライター)

 身体のあらゆる細胞になり得る幹細胞が登場した時,病気の治療に役立つ細胞を作って患者に移植する再生医療の実現が期待された。だがその研究は足踏みし,いま,まったく新しい利用法が注目されている。iPS細胞技術を用いて患者と同じ遺伝子異常を持つ細胞を作り,病気をシャーレで再現する。細胞の中で起きている現象を見極め,新薬候補の効き目を調べることが可能になった。

 

 

再録:別冊日経サイエンス204「先端医療の挑戦 再生医療,感染症,がん,創薬研究」

著者

Stephen S. Hall

科学と社会について30年近く執筆活動を続けてきたサイエンスライター。著書『不死を売る人びと 「夢の医療」とアメリカの挑戦』(阪急コミュニケーションズ)で,幹細胞研究の曙について解説した。2010年5月に「Wisdom: From Philosophy to Neuroscience」を上梓した。

原題名

Diseases in a Dish(SCIENTIFIC AMERICAN March 2011)

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