日経サイエンス  2011年6月号

特集:マグニチュード9.0の衝撃

予測できない放射線リスク

G. D. ザカイブ(サイエンスライター)

 福島第1原子力発電所の事故で大気中に放出された放射性物質は偏西風に乗って太平洋を渡り,米国各地でも検出されている。マサチューセッツ工科大学の核工学者で放射線の専門家であるヤンチ(Jacquelyn Yanch)は,今回の原発事故が人体にどのような影響を及ぼすかを語るには時期尚早だと考えている。「このような状況のリスク評価は,行われていないからです。どれだけ被曝したら危険なのか,まだわかっていない」という。Nature特別翻訳記事を許諾を得て転載。

著者

Gwyneth Dickey Zakaib

ネイチャー NEWS インターン・ライター。

原題名

Radiation risks unknown(Nature vol. 471, page 419)

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