日経サイエンス  2011年5月号

「すばる」を超える史上最大の望遠鏡

中島林彦(編集部) 協力:国立天文台TMTプロジェクト室

 私たちの宇宙観は新たな観測装置が登場する度に大きく変わってきた。ガリレオによる望遠鏡の発明はその代表的な例だ。近年でいうと,1994年のハッブル宇宙望遠鏡打ち上げと,1990年代末に相次いだ口径8mの大型望遠鏡の稼働だろう。日本の「すばる望遠鏡」も8m望遠鏡の1つだ。そして今から10年後の2020年代初めも大きな転換期になる。すばる10台分以上に相当する口径30mの巨大望遠鏡がハワイ島のマウナケア山頂で稼働するからだ。日米を中心とする国際プロジェクトで,日本国内では鏡の試作が進んでいる。暗黒エネルギーの解明や地球外生命の探査などで新たな展開がありそうだ。

 

 

再録:別冊日経サイエンス187 「宇宙をひらく望遠鏡」

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