日経サイエンス  2010年1月号

米バイオ企業が描く農業の未来

SCIENTIFIC AMERICAN編集部

一般消費者には有機作物を求める声が大きいようだが

アグリ産業はバイオテクノロジーが農業の未来のカギだとみている

 

 

 環境と経済を持続していけるかどうかは,つまるところ人類の消費・生産バランスの問題に帰着するだろう。農業はその天秤の両サイドに深く関係している。農業が消費する地球資源は膨大だ。人類が利用している淡水の70%を農業が消費し,地球の陸地の40%以上(耕作可能な土地のほぼすべて)を,生物多様性を犠牲にしつつ利用している。一方,68億人が生きていくのに十分な食糧を生産できるのは近代的な農業のおかげにほかならない。世界人口は今世紀半ばまでに90億人以上に達する見込みであり,急増する食糧需要をいかにまかなっていくかが,農業だけでなく人類の存続にとって大きな課題だ。

 

 農業は多くの技術に依存しているが,なかでも最も大きな影響力を持つのがバイオテクノロジーだろう。アグリビジネスは世界の農業の生産性と持続性をどのように高めようとしているのだろうか。農業バイオ大手4社の代表に聞いた。聞き手はSCIENTIFIC AMERICAN編集部のジョン・レニー(John Rennie)。

 

【対談参加者】

ジェームズ・ボレル(James C. Borel)

デユポン

グループ副社長

 

バルデマー・フィッシャー(Valdemar Fischer)

北米シンジェンタ・クロップ・プロテクション

社長

 

デイビッド・フィシュホフ(David A. Fischhoff)

モンサント

技術戦略・開発担当副社長

 

アントニオ・ガリンデス(Antonio Galindez)

ダウ・アグロサイエンシズ

世界穀物事業担当副社長

 

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原題名

Biotech's Plans to Sustain Agiriculture(SCIENTIFIC AMERICAN October 2009)

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