日経サイエンス  2010年1月号

サイエンス・イン・ピクチャー

宇宙滞在138日と「きぼう」完成

語り:若田光一(宇宙航空研究開発機構)

 かつて宇宙飛行は日本人にとって“別世界”の話だった。「5歳のとき,人類初の月着陸をテレビで見て宇宙に強いあこがれを抱いた。ただ,宇宙飛行士はアームストロングやガガーリンなど,私たち(日本人)にはわからない言葉を話す人がなる,手の届かない存在だと思っていた」と若田光一宇宙飛行士は振り返る。しかし,若田“少年”はその夢を大事に育てて宇宙飛行士になり,人類初の月着陸から40年後,日本人として初めて国際宇宙ステーションに長期滞在する,「宇宙の住人」となった。若田さんは日本の実験棟「きぼう」を完成させ,さまざまな宇宙実験に取り組んだ。宇宙滞在期間は137日と15時間5分。その間の若田さんの日々を写真で振り返る。

 

 

再録:別冊175「宇宙大航海 日本の天文学と惑星探査の今」

語り:若田光一(わかた・こういち)
宇宙飛行士。1963年埼玉県出身。九州大学で航空工学を学んだ後,日本航空のエンジニアとなる。92年,宇宙開発事業団(現宇宙航空研究開発機構)が募集した宇宙飛行士候補に選ばれ,93年,NASAから宇宙飛行士(搭乗運用技術者)としての認定を受ける。96年と2000年にスペースシャトルに搭乗,09年には日本人として初めて国際宇宙ステーションに長期滞在する(左は地球に帰還して2日後の記者会見の様子)。ロボットアームの操作技術に対する評価は高く,NASAではアーム操作の教官も務める。

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