
自動車事故の原因のトップは運転者のミスだ。2秒間よそ見をすれば,事故の危険は2倍にはね上がる。人間が運転している以上,不注意は避けられない。衝突の衝撃を和らげるシートベルトやエアバッグなどはすでに普及しているが,現在開発が目指されているのは,さらに進んで,衝突する前に警告したり,自動的にブレーキをかけてくれるような車だ。自動ブレーキや死角検知センサー,車線逸脱防止装置,交通標識認識など,さまざまな技術が研究されている。これらの車載システムは高価なのが難点だが,より低コストで高い効果を得られる手段がある。GPS(全地球測位システム)を活用し,道路標識,交差点など道路,あるいは他の走行車から,無線通信によって情報を送受信する車車間(V2V),路車間(V2I)システムだ。
現在開発されている技術を組み合わせれば,運転不要の自律走行車も可能になる。渋滞でも,見通しが悪い道でも,車に運転を任せて座っていられるようになるかもしれない。
原題名
Driving toward Crashless Cars(SCIENTIFIC AMERICAN December 2008)
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