日経サイエンス  2008年1月号

特集:宇宙時代 次の50年

日本の将来計画 金星と水星,再び月・小惑星へ

中島林彦(編集部)

 現在,地球を遠く離れた太陽系空間で2機の日本の探査機が活動している。小惑星イトカワから地球への帰途にある小惑星探査機「はやぶさ(MUSES-C)」と月探査機「かぐや(SELENE)」だ。今後10年を見通すと,さらに数機の日本の月・惑星探査機が旅立つ予定だ。

 

 まずは金星探査機「PLANET-C」。2010年にH2Aロケットで打ち上げ,半年後に金星に到達,軌道上から金星の大気の動きや火山活動の有無などを2年間観測する。その次は日欧協力の水星探査機「ベピコロンボ(BepiColombo)」。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の探査機と欧州宇宙機関(ESA)の探査機を一体化させ,2013年ころロシアのソユーズロケットで打ち上げる。約6年の飛行の後,水星に到達した時点で両機を分離,異なる周回軌道に投入する。

 

 水星探査機に前後して打ち上げられそうなのが,かぐや後継の月探査機「SELENE-2」だ。文部科学省宇宙開発委員会の月探査ワーキンググループが2007年10月,「2010年代中頃までに無人機による月着陸を遂行する」との計画案をまとめた。

 

 SELENE-2の次は不確定だが,日欧協力による,はやぶさ後継機の構想が浮上してきた。ESAは2007年10月,2015年以降の10年を見通した太陽系探査機と天文衛星の計画「コズミックビジョン2015」に関して,2006年夏段階で提案のあった50テーマから太陽系探査機と天文衛星各4テーマを有力候補として選んだ。その1つに小惑星探査機「マルコ・ポーロ」が入った。

 

 はやぶさは次世代エンジンであるイオンエンジンを使って小惑星まで旅し,着陸の後,離陸して地球への帰途にある。月以外の太陽系天体から探査機が離陸したのは,はやぶさが初めて。日本の惑星探査技術の高さを世界に示したことが日欧協力構想につながった。

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