日経サイエンス  2008年1月号

特集:宇宙時代 次の50年

目指すべき5つのゴール

G. マッサー(SCIENTIFIC AMERICAN編集部)

 スプートニク以来,惑星探査はいくたびかの盛衰を経験してきた。1980年代は暗黒時代だったといえる。現在は少し明るく,世界の宇宙機関による数十の探査機が水星から冥王星に至る太陽系の各所に向かっている。しかし,予算削減とコスト超過,一貫性を欠いた計画が,米航空宇宙局(NASA)に長い影を落としてきた。

 

 「NASAは自身の存在理由と格闘を続けている」と米国立パシフィック・ノースウェスト研究所(PNL)のジャネトス(Anthony Janetos)はいう。彼はNASAの地球観測プログラムを精査した米研究評議会(NRC)の委員会のメンバーだ。「NASAの目的は宇宙探検なのか?人間の探求なのか,科学なのか,遠い宇宙を探ることなのか,太陽系を探査することなのか,シャトルと宇宙ステーションなのか,それとも地球というこの惑星を理解することなのか?」

 

 激動は,基本的には好機に違いない。ブッシュ大統領は2004年,「月と火星に人間の足跡を刻む」という明確な目標を設定した。異論はあるにしろ,この構想はNASAに目標を与えた。問題は,この構想が間もなく財政的裏づけを欠いたものになったことだ。

 

 米研究評議会の委員会は宇宙関連の研究状況を定期的に調べ,世界の惑星探査計画が順調に進んでいるかどうか問い直している。それを踏まえ,「5つの目標」を示そう。太陽系探査の目的と必要性は何か,惑星科学からの答えは明確といえる。

 

1. 地球の気候を監視する

2. 小惑星衝突から地球を守る

3. 新たな生命を探索する

4. 惑星形成の謎を解く

5. 太陽系の外へ飛躍する

 

の5つが目指すべきゴールだ。

 

 宇宙時代の50年,他の惑星を研究することによって,人類は地球を以前よりも大きな枠組みのなかにとらえ直すことができた。星間空間の環境を調べることは,太陽系について同様のことをもたらしてくれるだろう。

原題名

Five Essential Things to Do in Space(SCIENTIFIC AMERICAN October 2007)

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